会長
矢﨑秀昭
(東京歯科大学同窓会会報 平成27年12月号/第402号より)
同窓会創立120周年記念会は全国の同窓会支部・連合会の皆様の絶大なるご支援を得て,東京歯科大学の特色を出した記念会として大変盛会となりました。会員の皆様のご支援に心から厚くお礼申し上げます。
日頃から全国各地域の支部や連合会の総会などにお招き賜わり誠に有難うございます。全国の支部および地域支部連合会は同窓会を構成する上で最も重要な組織と位置付けられています。
多くの連合会,支部に部会におきまして,現在,最大の課題は若手同窓会会員の入会が著しく減少していることと,さらに会員の高齢化が急速に進んでいることです。
日本の社会におきましても,少子高齢社会が現実のものとなり,今の日本の社会構造が,今後も存在し続けられるかが危惧されています。
会長に就任した4年前から,若手ネットワーク委員会を立ち上げるなど,若手の会員の支部加入促進に取り組んできました。50数年前の国民皆保険の導入を契機に歯科医師数の不足が国の大きな課題となり,その後10数年の間にそれまでの全国の7校の歯科大学・歯学部が,一気に29校となり,その結果,歯科医師過剰問題が生じ,各校の定員が抑制され,毎年の同窓会会員となる人数も大幅に減少しています。これらの要因から,卒業生の数が減少していることも若手の同窓会員の減少の一因となっています。さらに,在学している学生の父兄で母校の同窓の方は約2割を切る状況であり,以前よりその比率は著しく少なくなっています。
親から子への母校の伝統の継承が希薄となりつつあり,学生時代からの血脇イズムを伝えてゆくことの大切さから,現在,同窓会では大学の協力の基,学生に同窓会会報を手渡しながら,同窓会や支部の活動について,教室で学生に説明し,地域における活動のためにも支部への入会を勧めています。
10月10日に北海道地域支部連合会で100周年記念会が開催され,誠に素晴らしい記念会でした。翌日に連合会のあり方についてのフォーラムが開催され,各支部から活発な意見が出されました。北海道には10の支部がありますが,実働出来る会員が数名の支部が3支部となっています。私としては,この様な状況においては数支部が一つとなって新たな支部としての活動をすればと,単純に考えていました。しかしながら,フォーラムでの発言を聞いていると,各支部それぞれの歴史と伝統を持ち,現在の支部の中でも,支部の会に参加するのに数時間を要する地域もあり,会員数での単純な支部の統廃合は,多くの課題があることを実感致しました。
永い歴史と伝統を持つ同窓会の支部,連合会は単純な数学的な理論では割り切れない課題を含んでいます。会務の合理化は会員の減少から,是非とも必要なことですが,この度,評議員会で認められた,都道府県会支部長会,と評議員会を活用して,伝統ある連合会組織と支部会の存在を重んじながら,慎重に,さらに時代に対応した取り組みが必要と思われます。