2022 TDCアカデミア 医療教養フォーラム/「地域での健康づくりにおける多職種連携と歯科専門家の役割」[2022年11月13日(日)]

2022 TDCアカデミア 医療教養フォーラム

「地域での健康づくりにおける多職種連携と歯科専門家の役割」

講師:栗崎新也(愛知県開業)・齋藤貴之(東京都開業)・松浦信一(北海道開業)

 若年者のう蝕の減少や高齢者の現在歯の増加など、近年、国民の口腔保健は良好な状態に改善してきている。一方で、地域全体に目を向けると、かならずしも十分ではなく、健康格差の拡大が課題となっている。そして、歯科は、歯科医院に来院する患者の歯科疾患の治療だけでなく、食を中心とした地域社会における健康づくりの中心的役割を果たすことが求められてきている。
 そのような社会変化の中で、全国の各地域で、「くらしの保健室」などを通じて、多職種で連携して、生活者目線での様々な取り組みが始まっている。そこで、今年度のフォーラムでは、全国で行われている多職種で連携した健康づくりへの取り組みを共有して、参加者の各地域にあった、歯科専門家の参画する健康づくり活動を模索することを目的としたフォーラムです。

「地域での健康づくりにおける多職種連携と歯科専門家の役割」
講師:
  • 栗崎新也(愛知県開業)
  • 齋藤貴之(東京都開業)
  • 松浦信一(北海道開業)
日時: 2022年11月13日(日) 10:00 〜 12:30
配信方法: Webにて配信
定員: 80名
参加費: 無料

講演内容

  1. 歯科医院での子育て支援
  2. 「暮らしの保健室」での食支援
  3. 多職種連携での健康づくり

講師:栗崎新也(愛知県開業) 栗崎新也
  • 2007年 朝日大学 歯学部卒業
  • 2008年 明海大学 歯学部付属病院勤務
  • 2009年 朝日大学 歯学部付属病院麻酔科勤務
  • 2011年 栗崎歯科医院 非常勤歯科医師
  • 2014年~2020年 名古屋歯科保健医療センター非常勤勤務
  • 2015年~2018年 名古屋デンタル衛生学院 非常勤講師
  • 2015年 くりさき歯科・こども歯科 常勤歯科医師
  • 2017年 摂食嚥下リハビリテーション学会認定士取得
  • 2019年 日本障害者歯科学会認定医

「歯科医院に併設した認定栄養ケアステーションの役割と活動について」

 認定栄養ケアステーションとは、2018年より日本栄養士会が認定する栄養ケアステーションであり、栄養相談、栄養指導等を行う栄養に係る地域の拠点としての役割を担う場所と定められている。
 当法人では、歯科医院内に併設した認定栄養ケアステーションを2020年より開設し、歯科医院との連携下及び栄養ケアステーション独自の活動を行っている。
 当院では、う蝕、摂食機能障害、口腔機能発達不全症、口腔機能低下症を中心とした治療を行う上で、管理栄養士による外来栄養食事指導、訪問栄養食事指導を全てのケースに導入し、患者のQOLの向上に努めている。
 昨今、保険診療は治療から重症化予防、継続管理に重きが置かれる中、管理栄養士による栄養食事指導を行う事が歯科疾患の重症化予防に繋がると考えている。

(Shinya Kurisaki)

講師:齋藤貴之(東京都開業) 齋藤貴之
  • 2003年3月 東京歯科大学卒業
  • 2007年3月 東京歯科大学 大学院歯学研究科修了(老年歯科補綴学)
  • 2014年4月 東京歯科大学口腔健康科学講座 摂食嚥下リハビリテーション研究室非常勤講師
  • 2018年4月 東京歯科大学千葉歯科医療センター 摂食嚥下リハビリテーション科 臨床講師
  • 2020年4月 ごはんがたべたい歯科クリニック院長
  • 歯学博士(老年歯科補綴学)
  • 一般社団法人日本老年歯科医学会 認定医・専門医・指導医・摂食機能療法専門歯科医師
  • 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会 認定士
  • 一般社団法人暮らしの保健室かなで 理事
  • 介護支援専門員

コミュニティーカフェ(サロン)を活用した健康づくり

 地域でフレイルや認知症の方を支えるためには従来の医療行為だけでなく、地域を巻き込んだ生活支援も必要になってくる。
 オーラルフレイルから嚥下障害にならないように歯科が食形態の調整や栄養指導、口腔リハビリなどの食支援を行うことに加えて、最近では「通いの場」などを通して高齢者の社会参加を促し、健康な方がオーラルフレイルにならない取り組みにも歯科の協力が求められるようになってきている。
 本フォーラムでは現在取り組んでいるコミュニティカフェを利用した地域支援や低栄養・介護重症化予防の取り組み、摂食嚥下障害患者の外食支援や買い物支援など、「食べる」をきっかけとしてその先の社会参加を作る活動について紹介していく予定である。

(Takayuki Saito)

講師:松浦信一(北海道開業) 松浦信一
  • 1988年3月 東京歯科大学卒業
  • 1992年9月 医療法人社団 新崎歯科医院勤務
  • 1992年11月 松浦歯科医院開業
    現在に至る
  • 北見歯科医師会 会長(2019~)
  • 北海道保険医協会 オホーツク支部 支部長(2013~2018)
  • 全国訪問歯科研究会 会員
  • 北見摂食嚥下ケア研究会 会長
  • 北海道日本赤十字看護大学 非常勤講師(口腔保健論)

北見摂食嚥下ケア研究会はどのように多職種と連携してきたか

 少子高齢化社会の中で、地域で働く多職種の顔と名前の見える関係をつくり、現場の声を反映し、互いの領域を超えて理解し合う関係にしていくことが、必要不可欠だと考えております。
 地域での限られた医療・介護資源をどう機能させていくか、生活の視点で動く介護職と、治療の立場から動く医療職が、互いに理解し合うことを何よりも優先されなければならない中で、その役割を果たすことが出来るのは、「生活の医療」を推し進めてきた私達歯科が、その一躍を担っているのではないかと考えます。
 そこでこの地域で頑張っている医療職、介護職の仲間を多く募り、顔と名前の見える関係づくりを真剣に目指して北見摂食嚥下ケア研究会を立ち上げました。当初は思うように活動は出来ず、苦戦の連続でした。
 しかし地道に活動を続けていくうちに、問題を乗り越え少しずつではありますが、形というものが出来てきました。
 課題や目指すべき姿も見えてきたような気がします。その様な想いで今日まで活動してきた経過、これからどのように地域で展開をしていくかなど報告させていただければと思います。

(Shinichi Matsuura)



本セミナーの受付を終了しました。


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