ちょっとSpotlight:「ラグビー部OB奮闘記」(同窓会報429号より)

 令和2年初頭から大きな影響を与えてきた新型コロナウイルス感染症は, 私たち医療関係者の活動や生活を脅かすばかりではなく,学生やスポーツ界にも大きな傷跡を残しました。社会が 必死であるがゆえに見逃されてきた傷は,何とかできる我々よりも,何ともならない「学生スポーツ」に大きな空白を生み出しています(本年度のデンタル中止の一報も入りました)。
 ラグビーは,15人という多くの人数を必要とするスポーツです。 東京歯科大学ラグビー部は,創部55年あまりの歴史を持ち,素晴らしい仲間と連帯を堅持してきました。しかし現役は新入部員の勧誘もままならず,感染を危惧し練習も十分にはできていません。
 そこで,OB有志は,改めて絆を現役後輩にしっかりと伝承し,ラグビー部員として卒業してもらいたいがため全国に声を掛けました。そして6月4日医歯薬7人制大会『メディカル7』に東京歯科大学OBチームとしてエントリーし,ワールドカップの聖地でもある埼玉熊谷スタジアムで大奮闘いたしました(奮闘記については後段をご覧ください)。この大会は学生16チーム,OB 18チーム,OVER40 9チームそして OVER60 2チーム,計45チームが参加したワンデイ7人制マッチです。規模は日本最大の大会であり, 出場者はおよそ700人。東歯はOB,OVER40そしてOVER60精鋭32名の選手を登録。加えて大勢のラグビー部応援サポート隊の大軍団で“生涯スポーツラグビー”をエンジョイしました。
 人は様々な個性と多様性を持っています。学生時代少々やんちゃであったり,内なる闘志をどう表現したらいいのか迷いながらラグビーと出会い,助けあいながら卒業したたくさんの仲間が全国にはいます。自らの体を盾にボールの継続を求め,華麗なる得点も一人の力としてではなく全員の力として認め合う精神は,混迷する現代社会の中でもいかんなく発揮されています。そして,それがこれからの東京歯科大学を支える大きな力となると私は信じています。
 我々先輩は,もがき苦しんでいる後輩たちにもしっかりその精神を伝え,彼らを支えていきましょう。


ラグビー部OB奮闘記

平成5年卒 續 宏之

 2022年6月5日快晴,埼玉熊谷ラグビー場でメディカルセブンス2022が開催されました。今回我が東京歯科大学ラグビー部OBが全国から集結し,若手OBチーム(under40), 闘強歯科大over40の2チーム(加えてover60)が参加し,熱戦を繰り広げました。
特にover40は,北は北海道から南は福岡まで総勢18名のレジェンドが集結しました。これは,そんなover40の,笑いあり,感動あり,悔しさありの奮闘記です。 前日の熊谷の夜では,各世代のOB が親睦を深め,昔話に花を咲かせ,大いに盛り上がり,明日の戦いの士気は最高潮に達しました。そして,挑んだ試合当日。2019年ラグビーワールドカップの会場でもある熊谷の芝は青くその場所でプレーできる喜びはラガーマン冥利に尽きます。
 気合は最高潮でしたが,加齢による問題もありフィットネスははなはだ不十分,おまけにラグビーの試合なんて何十年ぶりの選手ばかり,ぶっつけ本番チームです。なんとか怪我だけはしないようになんて不安を抱えながら迎えた北海道バーバリアンズ戦。牧野 明先生のスーパーゲインこそありましたが,クラブチームで優勝経験のあるスポンサー枠の猛者に惨敗しました(0-52)。
 しかし,この試合で眠っていた東歯ラグビー部魂に火がつきました。惨敗はしたものの,選手は皆,忘れていたラグビー感,あの何とも言えないラグビーの楽しさを思い出したのです。
 そんな気持ちを胸に,迎えた獨協医科大OB 戦。まずは,右サイドでの白鳥清人先生,御手洗 智先生,中山一久先生のシャンパンラグビーを彷彿とさせる華麗なパスをつなぐトライに始まり,中島信也先生の左サイドでの独走トライ。竹居孝二先生,大野啓介先生のいぶし銀のスワーブ,山田 学先生,成瀬晋一先生のやんちゃな突っ込み,永野(松田)正司先生,宇美房 洋先生の地を這うタックル,松澤稔彦先生のスタンドオフは秀逸,そこに供給するハーフの柏尾昌利先生などなどナイスなプレーがわんさか。満を持して監督自ら出場した新海 誠先生は3人からのタックルに砕け散りました。後半に体力つきて敗れはしましたが,これぞ東歯ラグビーの片鱗をみせることができました(14−19)。
 でもこの結果が今の限界です。この悔しさをばねに,稲毛練習で怪我をして試合に出られなかった神野康久先生を中心に,学生さんと共に練習して来年またリベンジしたいです。
 ちなみに,若手OBチームは初戦のアプリコッターズに17−29と惜敗したものの,2戦目の山形チェリーボーイズに35−7と大勝しました。
 最後に,今回メディカルセブンス開催に尽力してくださった大会役員の小枝義典先生をはじめ,OBをまとめてくださった松田 祐明先生,応援してくださった額賀康之前会長,飯田泰一先生,橋本和則先生,袋 一仁先生,原 俊浩先生,内山博人先生,小室麻美先生,小澤卓充先生,沢山の写真を撮ってくれた續 圭子,総監督の新海 誠先生,本当にありがとうございました。