十二期会(昭和39年卒)/-摩周の女神が微笑んだ-

 梅雨のない北海道が,このところの異常気象で,6月中旬に35℃を超す暑さが記録されたり,下旬には,ぐずついた日が続いている。

 1964年3月卒業十二期会は今年50年の節目の大会を北海道在住の向山英彦,前田高直両君のお世話で釧路を中心とした道東観光となった。

 2014年6月20日(金)「ヤァー」「オゥーしばらく」との声がとび交い,24名(夫人3名)が釧路プリンスホテルに集い,前夜祭となった。

 明けて21日(土)霧の街釧路はその名の通り,すっぽりと濃霧に包まれた朝を迎えた。市街地を10分もバスで走ると,そこは広大な釧路湿原国立公園の真っ只中,小高い丘の湿原展望台に立つ。霧も晴れて,見渡すかぎりの広野は,雨に洗われた緑が一段と眩しい。鶴居村の原野では,幼鳥を連れた丹頂の親子を望観する。何とも微笑ましい光景で,冬に餌付けが十分されているので,春になっても北に帰らぬ丹頂も多いと聞く。弟子屈の道の駅で小休止。美幌峠に向かう。峠は霧と風と雨の中にあり,視界不良。屈斜路湖畔のホテルにて昼食。午後は硫黄の臭いが鼻をつく川湯温泉,盛んに噴気を上げる硫黄山を経由して摩周湖へ。美幌峠から直線距離でわずか30km たらず。今日は布施明の名曲「霧の摩周湖」になると諦めていたら,摩周の女神が突然微笑んでくれて,神秘の湖面に浮かぶ中の島や摩周岳の景観を十二分に堪能する。

 大会では,まず大学が水道橋に戻って,本格的に大学としての機構が稼働を始め,その成果が表れていること。また,学長から理事長へと長年要職の重責を担ってこられた同期の金子譲先生が,5月末日をもって勇退されたことが,丹野会長,片倉恵男君より報告があり,次年度大会を同窓会創立120周年記念式典に合わせて,東京又は東京圏で開催することとし,また,本会の今後の在り方については,次大会に於いて協議すること,本年度の会費については,従来通り徴収することを申し合わせ,懇親会に移り,乾杯は遠来熊本の鈴木勝志君の音頭で再会を祝った。

 最終22日(日)ラムサール条約によって保護された「水鳥と水棲生物の楽園」のビューポイント細岡展望台へと急ぐ。この展望台からは湿原の中をうねるように流れる釧路川の様子を一望し,釧路たんちょう空港にて,次大会東京での再会を期して解散した。

(牟田 紀一 記)