同窓会創立120周年記念」タグアーカイブ

「温故知新 万清楼を訪ねて」
第1回 高山歯科医学院院友会(現東京歯科大学同窓会)
明治28年6月16日 於 芝高輪 料理茶屋「万清楼」(同窓会報第399号より)

「温故知新 万清楼を訪ねて」第1回 高山歯科医学院院友会(現東京歯科大学同窓会)明治28年6月16日 於 芝高輪 料理茶屋「万清楼」(同窓会報第399号より)/近藤  保(昭和48年卒)
近藤  保(昭和48年卒)

1.はじめに

 平成24年7月に同窓会本部専務髙橋義一君から電話があった。「明治28年6月に第1回院友会が『万清楼』で行われた。ここから同窓会がはじまった。芝高輪付近にあると思うが,詳細がわからないので調べてほしい」という依頼であった。そして,資料として「東京歯科大学同窓会七十年の歩み」を送って頂いた。私自身も興味をひかれ第1回院友会と会場の万清楼について調べることにした。 続きを読む

高山紀齋の生涯(同窓会報第398号より)

高山イズム血脇イズム

高山紀齋先生

 昨年同窓会創立120周年記念準備委員会ができそのテーマを決める際に「高山イズム,血脇イズムとは何か」ということから始まりました。
 学生時代から今まで耳にしたことはありましたが真剣に考えたこともありませんでした。また,大学の起源や同窓会がどのように設立されたのか全く興味もありませんでした。おそらく多くの皆さんもそうでしょう。
 歯科大学に入り歯科医師となり普通に診療を行い歯科医師会等にも参加してきました。そこで他大学の方から「東京歯科の卒業生はどこか違うね」とよく言われてきました。そのことがずっと気になってはいました。ちょうど良い機会だからそのルーツについて少し考えてみようと思いました。
 そもそも120年以上の歴史をもつ歯科大学なんか他にないのですから。 続きを読む

済生,窮理の治法と血脇イズム ―司馬遼太郎著「胡蝶の夢」を読んで―(同窓会報第398号より)

済生,窮理の治法と血脇イズム ―司馬遼太郎著「胡蝶の夢」を読んで―(前編)/三友 和夫(昭和54年卒)
三友 和夫(昭和54年卒)

1. 校歌は血脇イズムの歌

 「医はこれ済生,ひとえに仁なり♬…」同窓会創立120周年のテーマは,この校歌の一節です。120年の歴史の中で同窓の胸を熱くし,感動を持って語られてきたものが血脇イズムです。なかでも昭和始めの校旗・校歌制定会,校舎建設の頃の学生には,この高揚感を強く感じます。
 東京歯科大学百年史 p.134には,学生が校歌の歌詞を北原白秋にお願いしましたが,なかなか歌詞ができてきません。そこで「全校の教職員,学生600人は,各自1枚ずつの作詞を促す葉書を白秋にしたため熱心に働きかけました。」北原白秋は「私は校歌をいくつも作ったが,こんなに感激して作ったことはいちどもない。この学校の人たちほど,こんな熱心な,猛烈な連中は見たことがない……」
 白秋は東京歯科の校歌をつくる時,はたと困ってしまったそうです。なぜなら「水道橋には何も景色などありやしない。」からでした。苦慮した後に「この学校において歌うべきものはチワキズムである。」と。したがって,東京歯科大学の校歌は血脇イズムの歌です。そしてこの頃の学生の精神の高揚感を表していると思います。
 というわけで,血脇イズムの重要な言葉として「済生」や「窮理」を考えるべきだと思います。しかしながら字面通りの「生命をすくう」,「理を窮める」ことでは学生の心に宿った熱い心は表現されていません。少なくとも違和感があります。最近,司馬遼太郎の「胡蝶の夢」を読んだところ,「済生」「窮理の治法」の心を熱くする意味について一つの「手掛かり」を見つけましたのでご紹介いたします。 続きを読む

血脇守之助が三条に滞在しなかったら東京歯科大学の血脇守之助は無かった(同窓会報第397号より)

血脇守之助が三条に滞在しなかったら東京歯科大学の血脇守之助は無かった(同窓会報第397号より)/阿部晴弘(昭和46年卒)
阿部晴弘(昭和46年卒)

血脇守之助

 新潟県の中央部の信濃川沿いに,金属加工や刃物の町として有名な三条市がある。その街で昨年の9月8日町並み探検隊という市民団体の主催で,「血脇守之助と野口英世と三条」という講演会が,三条市立図書館で開催された。講師は吉田東伍記念博物館の副館長渡辺史生さん・実質的には館長。

吉田東伍記念博物館

新潟県の地図

 この博物館は磐越西線が通る阿賀野市の安田町にあって,吉田東伍博士(日本歴史地理学者,『大日本地名辞書』の著者)を記念して建てられた博物館で,後でお話しする石塚三郎が明治,大正,昭和にかけて撮った三千枚以上のガラス乾板写真と血脇や石塚の資料を多く所有している。
 渡辺さんはこれらの写真や資料を基に,「血脇守之助が歯科医師を目指したことに三条が大きく関わっている。血脇守之助が三条に滞在しなかったら,医聖野口英世は生まれていない」と言い切った。 続きを読む

東京歯科大学同窓会創立120周年 2015 TDCアカデミア セミナー


2015 TDCアカデミア 研修セミナー

東京歯科大学同窓会創立120周年
2015 TDCアカデミア セミナー

主催:東京歯科大学同窓会
協力:東京歯科大学
日本歯科医師会生涯研修認定

東京歯科大学同窓会会長 矢﨑 秀昭

会長 矢﨑 秀昭

 2015年、東京歯科大学同窓会は創立120周年を記念し、アカデミア構想の柱として研修セミナーが開催されます。血脇守之助先生が、歯科医師は高度な医療技術の研修と併せて、社会性や倫理観を共に学び、助け合うために明治28年に同窓会を創設されました。本年はこの精神にもとづき、高度な先進臨床技術の習得と、人間性にあふれた社会人として幸せな歯科人生を歩むために必要な知識や考え方について、皆様と共に考え実践することを目指して企画されております。研修医をはじめ若手の先生方から、臨床経験が豊かなベテランの先生まで、専門的知識や臨床にすぐ役立つ技術をも学べるセミナーとなっています。受講されることにより、明日からの診療にすぐに役立つとともに、歯科医療に携わることの喜びを、改めて確認できることになります。より多くの皆さまのご参加をお願い申しあげます。

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