令和2年初頭から大きな影響を与えてきた新型コロナウイルス感染症は, 私たち医療関係者の活動や生活を脅かすばかりではなく,学生やスポーツ界にも大きな傷跡を残しました。社会が 必死であるがゆえに見逃されてきた傷は,何とかできる我々よりも,何ともならない「学生スポーツ」に大きな空白を生み出しています(本年度のデンタル中止の一報も入りました)。
ラグビーは,15人という多くの人数を必要とするスポーツです。 東京歯科大学ラグビー部は,創部55年あまりの歴史を持ち,素晴らしい仲間と連帯を堅持してきました。しかし現役は新入部員の勧誘もままならず,感染を危惧し練習も十分にはできていません。
そこで,OB有志は,改めて絆を現役後輩にしっかりと伝承し,ラグビー部員として卒業してもらいたいがため全国に声を掛けました。そして6月4日医歯薬7人制大会『メディカル7』に東京歯科大学OBチームとしてエントリーし,ワールドカップの聖地でもある埼玉熊谷スタジアムで大奮闘いたしました(奮闘記については後段をご覧ください)。この大会は学生16チーム,OB 18チーム,OVER40 9チームそして OVER60 2チーム,計45チームが参加したワンデイ7人制マッチです。規模は日本最大の大会であり, 出場者はおよそ700人。東歯はOB,OVER40そしてOVER60精鋭32名の選手を登録。加えて大勢のラグビー部応援サポート隊の大軍団で“生涯スポーツラグビー”をエンジョイしました。
人は様々な個性と多様性を持っています。学生時代少々やんちゃであったり,内なる闘志をどう表現したらいいのか迷いながらラグビーと出会い,助けあいながら卒業したたくさんの仲間が全国にはいます。自らの体を盾にボールの継続を求め,華麗なる得点も一人の力としてではなく全員の力として認め合う精神は,混迷する現代社会の中でもいかんなく発揮されています。そして,それがこれからの東京歯科大学を支える大きな力となると私は信じています。
我々先輩は,もがき苦しんでいる後輩たちにもしっかりその精神を伝え,彼らを支えていきましょう。