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巻頭言/同窓会の機構改革

中西国人 事業推進部常任理事
事業推進部常任理事
中西 国人

(東京歯科大学同窓会会報 平成23年2月号/第380号より)

 昨年は,東京歯科大学創立120周年の年にあたり,大学と同窓会が協調して記念事業等に取り組んで成功を収めました。

 また,記念事業の一環として大学の水道橋への移転というプロジェクトが進められております。来年(平成24年)には,「さいかち坂校舎」で1・2年生の授業が始まるという事で,もう目の前まで来ている現実でございます。

 同窓会といたしましても,大学が行なっております「血脇記念ホール」および「東京歯科大学ミュージアム」(仮称)の設備・建築費という目的の為の「ご寄付のお願い」に対して先般,皆様へご協力のお願いを致しました。ここに改めて,我々の原点である母校を物心両面で支える為にご協力の程を,よろしくお願いいたします。 続きを読む

巻頭言/「同窓会」・「若い人」・「社会性」

髙橋義一専務
専務理事
髙橋 義一

(東京歯科大学同窓会会報 平成22年12月号/第379号より)

 同窓会改革では若手支援を謳っている。その一つの事業として若手同窓支援セミナーがあり,先日開催された。若い先生が臨床でトラブルにあわないように,そして明日の臨床に役立つよう,医事処理,保険を切り口にしながらBS製剤や下歯槽神経麻痺について学術的な話をすすめるという新企画で高い評価を得たとのことである。さて,話はもどるが,この研修会を我が支部の若手に紹介しようとした。しかし気がつくと卒後5年,卒後10年の若者は支部にはいなかったのである。今年から始まった本部ー支部間の情報ネットで行われたアンケート結果でも,確かに“若い人が少なく,高齢化で活動に苦労する”という声が多かった。どうも「同窓会」と「若い人」のリンクが薄くなりつつあるのかもしれない。 続きを読む

巻頭言/組織力づくりは人づくり

梅村長生副会長
副会長
梅村 長生

(東京歯科大学同窓会会報 平成22年10月号/第378号より)

 ハーバード大学サンデル教授の正義を巡る講義や著書が話題沸騰となっている。1980年代から世界はIT化によるグローバリズムの進展に伴い,個人主義,市場主義,実力主義的考え方が蔓延していった。この風潮は,社会保障・医療制度の政策に色濃く反映され,その中で日歯や同窓会もこれらの主義に巻き込まれ,不幸な事件となった。これらが,金融崩壊を招いたことで改めて人びとが,「人生を生きる価値あるものにするには,どう生きるべきか」を問い始めたことが,サンデル教授の提起への白熱した議論となっているに違いない。

 では,時代の流れの速い,構造転換の進む社会の中にあって,「同窓会とは何か」,この問いに執行部は真剣に向き合っている。

 しかし,リベタリアンが多い若い人に対して,個人の自由と共同体の利益という対立する軸を「よりよい同窓会」を作るという理想だけで理解を得られるかは疑問である。したがって,同窓会改革検討特別委員会は,改革に向けて組織強化,大学との連携強化,事業改革,若手対策,機構改革など多面的な改革案を提言した。その内容は傾聴に値するものばかりである。 続きを読む

巻頭言/ライトサイジングへ

宮地建夫副会長
副会長
宮地 建夫

(東京歯科大学同窓会会報 平成22年8月号/第377号より)

 今年5月,ギリシャが財政危機に陥った。次いでオランダとスペインの財政危機も懸念され,事実,その後二つの国の国債の格下げが現実になった。しかし当のオランダやスペインの国民は,昔の生活との比較や経済状態の実感からか財政破綻の切迫感は薄いという。

 ギリシャの労働者は,国の危機をよそに賃金や年金の権利を主張し,大規模なストを行い皮肉にもそれがギリシャという国の信用を落とすことにもなってしまった。権利の主張や既存の生活保全の意識は分からないではない。だが,時の流れと反する権利の主張は,自らが建つ土台ごとの崩壊につながるという構図は遠くからのほうがよく見える。 続きを読む

巻頭言/減少化社会への対応

矢﨑秀昭副会長
副会長
矢﨑 秀昭

(東京歯科大学同窓会会報 平成22年6月号/第376号より)

 東京歯科大学創立120周年の記念事業は母校の社会における存在感をさらに強くし、大変有意義でありました。さらに水道橋への大学の移転は内外から多くの関心を集めております。この大事業が成功し、さらに東京歯科大学が未来にわたって発展することを同窓として強く願っております。

 現在の日本の社会は歴史上ほとんど経験したことない、多方面において縮小する方向に向かっています。その根源は人口減少であり、それも急激に進行しております。今日までの日本の繁栄と、世界での存在感は高度経済成長を基盤としていました。しかしながら今後は、あらゆる方面に置いて日本社会は年々減少、縮小してゆくものと思われます。しかしながら一般的日本人において、今までのような成長し続ける認識を、一気に変更することは誠に難しいことと思われます。ただし例外として、他地区からの流入があり、東京都はここ10年間で約100万人の人口が増加しています。今後とも、人口と社会的機能の集中が加速してゆくものと思われます。 続きを読む

巻頭言/ー母校創立120周年ー 先達の訓え

片倉恵男副会長
副会長
片倉 恵男

(東京歯科大学同窓会会報 平成22年4月号/第375号より)

 母校が創立120周年を迎えた今,改めて先達の人物像や業績を読み返す時,東京歯科大学の歴史と伝統の重みをしみじみと感じます。

 高山紀齋が大変苦労して歯科医学院を運営する中で,抜群の能力を持った血脇守之助を抜擢し,医学院の経営を委ねて自らは身を引く決断をしたことには,守之助に対する全幅の信頼と医学院の「継承と発展」への熱い思いが窺えます。

 守之助が野口英世の中国赴任に際して贈ったという『世の中は五分の真味に二分侠気,あとの三分は茶目で暮らせよ』の処世訓は,艶福家でもあったという恩師紀齋の一面をみて,自ら悟った言葉ではないかと推量するのは穿ち過ぎでしょうか。

 “東歯家族主義”の実践であり,“血脇イズム”の太い柱となっていると言われているのが,大正8年の“熊さん”こと島根熊吉という小使さんの本学最初の校葬です。 続きを読む

巻頭言/今レバレッジのとき

大山萬夫会長
会長
大山 萬夫

(東京歯科大学同窓会会報 平成22年2月号/第374号より)

 会員の皆様にはご家族共々お健やかにお過ごしの事とお慶び申し上げます。平素は本同窓会の運営に深いご理解と多大なるご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

 お陰様にて無事1期2年の任期を終える事が出来ました事、役員一同と共に感謝申し上げます。又昨年11月の同窓会評議員会・総会において、満場一致で再度同窓会会長にご推挙を賜りました。このことは身に余る名誉な事と存じますと共にその責務の重大さに、身の引き締まる思いでございます。お受け致しました以上は、誠心誠意会務執行に努める所存でございます。

 この2年間、本部と各支部との連携強化、大学当局との密なる連絡確保等を第一に行動を取ってまいりました。目下極めて良い状況に推移致しております。 続きを読む

巻頭言/頼もしいメンバーと供に……

宮地建夫学術担当常任理事
学術担当常任理事
宮地 建夫

(東京歯科大学同窓会会報 平成21年12月号/第373号より)

 【われわれ歯科医師に対するプロフェッショナルとしての社会的要請は不断の学習と陶冶を求めておりそれに対応する生涯教育即ち卒後研修のあり方は歯科医療をめぐる諸問題のなかでも枢要な課題となりつつあります。そのなかで同窓会活動の一環としての学術部事業のすすめ方も検討が要する時が来ました】

 TDC卒後研修セミナーの始まりを告げる当時の学術担当の書かれた一節です。34年前になります。しかし「学術部事業のすすめ方を検討する時が来た」というその時は“今”を指しているように思えてなりません。’73年中東戦争・オイルショック,米国のウォーターゲート事件。’74年公害問題を取り上げた有吉佐和子氏の「複合汚染」。’75年ベトナム戦争終結という社会背景のなかで「卒研」はスタートします。「総合的視点に立った歯科診療」「たて糸・よこ糸論」という考え方の柱は要素の複雑な絡みという意味で複合汚染やベトナム戦争と共通していました。その翌年「歯の110番」で歯科は社会的な批判に曝され,ロッキード事件によって田中角栄前首相が逮捕されます。そうした背景からか“卒研”の年間テーマは「信頼の歯科医療」「社会との調和」をうたい,まさに「学習と陶冶」の両面から系統的・総合的な課題に取り組みます。 続きを読む

東京歯科大学同窓会会報バックナンバー(平成20〜21年度)

平成20〜21年度

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