2024 TDCアカデミア 医療教養フォーラム/「歯科から取り組む!孤立という病を地域で治す方法」〜人のつながりが薬になる〜[2024年11月17日(日)]

2024 TDCアカデミア 医療教養フォーラム

「歯科から取り組む!孤立という病を地域で治す方法」
〜人のつながりが薬になる〜

2024 TDCアカデミア 医療教養フォーラム/「歯科から取り組む!孤立という病を地域で治す方法」〜人のつながりが薬になる〜[2024年11月17日(日)]講師:西 智弘(一般社団法人プラスケア代表理事)・高柳篤史(埼玉県開業)

講師:西 智弘(一般社団法人プラスケア代表理事)
高柳篤史(埼玉県開業)

 社会的に孤立していることは、時に健康を脅かします。人との交流が乏しいと抗うつのリスクや、認知症の発症リスク、死亡のリスクまで高くなることが、世界的に課題となっています。
 この解決策として、いま、世界では医療者や医療施設が地域のつながりの中心となって、人々の健康を地域社会で支える「社会的処方」という新しい取り組みが広がりつつあります。
歯科疾患の多くは生活習慣病であり、病気の視点だけではなく、生活の視点での支援の重要性が明らかになってきています。
 日本でも大きな課題となっている〈社会的孤立〉に対して歯科医師、歯科医院は、なにができるのか。書籍「社会的処方」の著者である西智弘先生と地域コミュニケーションに取り組んでいる高柳篤史先生を交え生涯における健康づくりにおいて歯科医療の遠心的発展の方向性を模索する目的で、多職種と連携して、個人と社会を繋げるための社会的処方についてみなさんで議論を深めていきたいと思います。

「歯科から取り組む!孤立という病を地域で治す方法」
〜人のつながりが薬になる〜
講師:
  • 西 智弘(一般社団法人プラスケア代表理事)
  • 高柳篤史(埼玉県開業)
日時: 2024年11月17日(日) 10:00 〜 13:30
場所: ハイブリッド開催
・対面参加:東京歯科大学水道橋校舎 新館11階
・Web参加:Zoomウェビナー
定員: 60名
受講料: 無料

講演内容

  1. 日本において本当に社会的孤立は存在するのか
  2. 社会的処方のカナメ
  3. オーラルヘルスからヘルスエコロジーへの展開
  4. 歯科医療と地域づくり

西 智弘(一般社団法人プラスケア代表理事) 西 智弘(にし ともひろ)
  • 川崎市立井田病院 腫瘍内科 部長
  • 一般社団法人プラスケア代表理事
  • 所属団体・認定資格・役職
    • 一般社団法人プラスケア代表理事
    • 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法 専門医
  • 経歴
    2005年北海道大学卒。室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、2007年から川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修。2012年から現職。現在は抗がん剤治療を中心に、緩和ケアチームや在宅診療にも関わる。また一方で、一般社団法人プラスケアを2017年に立ち上げ代表理事に就任。「暮らしの保健室」「社会的処方研究所」の運営を中心に、地域での活動に取り組む。

 「薬で人を健康にするのではなく、地域とのつながりを利用して人を元気にする」社会的処方は、1980年ころイギリスにてその取り組みが始まり、2000年代には孤独・孤立の問題を解決する方法のひとつとして期待され、かの国の政策にも取り上げられた。本邦においては、2021~2023年の「骨太の方針」にその文言が取り上げられ、国が主導してのモデル事業も進んでいる。
 一方で、本邦においても社会的処方という概念が輸入される以前から、既に各地域で「つながりが人を元気にする」ことに気づき、実践を続けてきた方々が大勢いる。2018年に設立された社会的処方研究所では、そのような民間セクターの方々と、医療者など専門セクターの橋渡しをし、さらには世界における実践者カンファレンスまでつながっていくことを模索している。その大本では、国が推し進めるであろう社会的処方の制度化に先んじて、「社会的処方を文化にする」ことを目指したいと考えている。今回の講義では、社会的処方研究所がこれまでどのような実践を行ってきたかを共有し、その活動にどのような目的がこめられているかを披歴し、今後の課題について皆さんとディスカッションする機会としたい。

(Tomohiro Nishi)

高柳篤史(埼玉県開業) 高柳 篤史(たかやなぎ あつし)
  • 1989年 東京歯科大学卒業
  • 1989年 作間歯科医院(川崎市)勤務
  • 1992年 東京歯科大学大学院入学(衛生学)
  • 1996年 東京歯科大学大学院修了
     東京歯科大学衛生学講座研究助手
  • 1998年 高柳歯科医院(埼玉県・幸手市)勤務
  • 2013年〜 日本大学松戸歯学部障害者歯科学講座 兼任講師
  • 2023年〜 東京歯科大学衛生学講座 客員教授
  • 所属団体・認定資格・役職
    • スタディーグループ「はみがき学の会」代表
    • 東京歯科大学学会 理事
    • 日本口腔衛生学会 代議員
    • 8020推進財団 広報委員
  • 主な著書(分担執筆)
    • 歯磨きのソムリエになる デンタルハイジーン Vol.28(No 1〜6) 医歯薬出版 2008年
    • セルフケアの処方箋(共編著) 医歯薬出版 2008年
    • セルフケア指導 脱誤解と思い込み クインテッセンス出版 2021年

 口腔疾患を起因する多くの要因は生活環境にあると言っても過言ではない。そのため、歯科医療においても、口腔内に生じた疾患を治療しただけでは、再発を繰り返し、治療の効果が得にくいことも多いことを日常臨床で多く経験する。さらには、口腔に多くの問題を抱えているにも関わらず、個人が置かれている社会環境が起因して、歯科受診にすら繋がらないケースも多々存在している。
 そのため、歯科医療においても、家庭環境や社会環境へのアプローチが不可欠である。とりわけ、社会的孤立は、健康に著しく問題となることが明らかになってきている。そこで、地域での口腔の健康づくりを推進して、個人と社会の繋がりに対するアプローチを積極的に展開していくことが求められる。現時点ではその具体的な方法については模索段階ではあるが、各地域で、様々は試みがなされてきている。そこで今回、個人が置かれている社会環境に対して歯科医療の立場からどのようなアプローチができるかを参加者の皆さんとともに考えてみたい。

(Atsushi Takayanagi)

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