第6回 新進会員のつどい |
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テーマ: | 「これが私のスペシャリティ」 |
日時: | 2018年11月3日(土) 講演会・12:30~ / 懇親会・16:30~ |
会場: | 講演会・東京歯科大学水道橋校舎 本館13階 |
講師: | 根津 崇先生(平成17年卒・川崎支部) 山本雅通先生(平成6年卒・千代田支部) 大川延也先生(昭和52年卒・北多摩支部) |
今年の新進会員のつどいは,私たち実行委員の若手が中心に何が気になっているかということを考えました。会議で多くあがった実行委員の意見は「どのような症例がむずかしいのか」「新しいことに取り組む第一歩」ということでした。その中でどのようなテーマをと考えたところ『これが私のスペシャリティ』 となりました。今回はGP,矯正,訪問といった分類で演者の先生方に依頼しました。抄録を見ていただければ皆さん興味がよりわくと思いますので,ぜひご参加ください。
第6回新進会員のつどい実行委員会委員長
田中亜生(平成26年卒)
◆ 講演抄録 ◆
矯正歯科専門開業医としての使命
根津 崇(平成17年卒・川崎支部)
演者は,東京歯科大学卒後,大学院ならびに歯科矯正学講座研修課程を修了し,2010年より根津矯正歯 科クリニックに勤務し今日に至る。当クリニックは,開設以来43年間に矯正歯科医を多く輩出するとともに,その臨床エクスパティーズを醸成してきたが,現在は,演者がそれを承継する立場にある。
近年,多様な装置,テクニックなどが紹介されているが,いずれも万能でなく,そのメリット,デメリッ トを理解して応用するべきである。大切なことは,新たなテクノロジーに支配されるのではなく,その導入を通して,術者が正確な診断,個別化の能力を高めることにある。
矯正歯科の困難な命題は「診断と治療を直結させること」であり,そのためには,“Treat face, not just teeth”の思考にもとづき,診断・治療計画のシステム化と4次元的治療目標の設定が必須となる。また, 形態的改善に留まらず,呼吸・嚥下,筋肉,姿勢,習癖の機能不全の中立化こそ治療効果と治療結果の安 定に重要であると考える。
今回,高難度症例に対する矯正治療単独の治験および学際的な治療における矯正治療の貢献例を報告するとともに,難易度判定,専門医に紹介するべき症例の見分け方について,卑小な経験を通して考えてみたい。
患者に寄り添う歯科医師を目指して
〜総合力こそが私のスペシャリティ〜
山本雅通(平成6年卒・千代田支部)
新進会員の皆さん,ほとんどの方は,はじめまして…だと思います。
第6回新進会員のつどい「これが私のスペシャリティ」の講師としてお話しさせていただく山本雅通です。現在私は,医療法人雅歯会山本歯科院長として東京神田にて歯科医療に従事しております。卒業は平成6年…恐らく今年の卒業生が生まれた年に歯科医師になった事になります。自分的には「あっ」という 間の24年間でしたが,様々な経験をして今,ここに立っているのだと感じています。
今回の,新進会員のつどいでは,自分が歯科医師としてどんな経験をして,現在どんな臨床を心がけ,これからどんな歯科医師になりたいと感じているのかを,臨床的な症例やエピソードを交え,お話ししたいと思っております。
私のお話しの中で,新進会員のつどいにご参加いただいた先生方が,一つでも共感していただけたり,こうなりたいな,逆にこうはなりたくないな…など少しでも皆さんの将来の歯科医師像に役立てていただければ幸いです。
訪問診療へ第一歩をふみだす勇気
大川延也先生(昭和52年卒・北多摩支部)
私は昭和52年に卒業後,補綴第III講座(関根教室)に入局しました。その頃の医局ラボにはたくさんの先輩がラボワークをしており,毎晩,終電まで手取り足取り指導していただきました。ラボにはたくさんの教材(ケース)があふれ,毎日が楽しくて楽しくて。
そんなわけで補綴,特に義歯が大好きになりました。40歳くらいになると自分の型というか少し自信みたいなものができ,やっと人様のお役にたてるような歯医者になれたかなと思っていました。そんな時でした,ある患者さんが脳梗塞のため寝たきり状態で帰ってきました。入れ歯がガタガタで食べられないので家に来て診てくれますか?と娘さんから往診の依頼がありました。私の作った上下総義歯それも金属床の自信の義歯でした。病気でやせてしまい義歯が不適になってきたのだから,リソウしてあげれば,また元のように吸着したよく噛める義歯になる!とたかをくくって在宅に訪問したのが私の第一歩でした。
でも,現実は甘くなかった!私の作った自信の義歯が,リソウしてもまるで使えない口の中の異物と化したのです。
なぜ?なぜ?なぜ?
補綴で学んだ総義歯理論,それまでの経験,技術がまるで通用しなかったことに愕然とし帰ってきたことを思い出します。
40歳!この時からが本当の勉強のはじまりになりました。
新進会員のつどい 実行委員会メンバー
田中 亜生、星野 立樹(平成26年卒)
大村 雄介、鷲尾沙裕理(平成27年卒)
石束 叡、深澤 俊也(平成28年卒)
小池 将人、中里 晴香(平成29年卒)
伴野 圭太、中村 咲帆(平成30年卒)
以上のメンバーで運営しています!
〜「女性会員活動推進委員会」からのお知らせ 〜
平成30年11月3日(土・祝)「新進会員のつどい」と同日に「女性会員活動推進委員会」は,情報交換会を行うことといたしました。会の終了後には「新進会員のつどい」の参加者と合同で懇親会を開催いたします。
詳細につきましては,支部長の先生方を通じお知らせする予定です。
担当常任理事 岡村美恵子