卒業アルバムから見た母校の変遷 -現在との比較- その2(同窓会報第401号より)

広報部委員 渡邊宇一

 前号に引き続き,大学のご厚意により図書館からお借りした卒業アルバムから,なつかしい写真と現在との比較を企画した(現在の写真は筆者撮影)。

血脇先生のマスコット人形

戦前,水道橋校舎では現在の東歯祭の前身とも言える「記念祭」が開催されていた。
右写真は血脇先生がご自身のマスコット人形と一緒に撮られた記念写真。画面右上には昭和9年に来日した野球の神様,ベーブ・ルースの似顔絵も見える。添え書きには「日本ノムシ歯ハ皆俺ガカットバシテヤル實ハ俺モムシ歯ガ痛ムンダガネ…」と洒落たことが書かれている。
左下写真は昭和5年,学生会主催血脇先生還暦祝いの運動会に登場した風船の漫像。画面下に写っておられる血脇先生と比べてもかなり巨大なもので,運動会のシンボルだったのだろう。
 これらのマスコット人形はおそらく当時の学生の作と思われるが,いずれも血脇先生への敬慕の念が具現化されたもので,これこそ血脇イズムの象徴といえるものではなかろうか。
 右下写真は記念祭に展示された約7年前に没した野口英世先生のジオラマで,いかに当時の学生が血脇先生,野口先生を慕っていたかがよくわかる。

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