ふるさと自慢:うどん県,それだけじゃない香川県/香川県(同窓会報396号より)

 「うどん県」というネーミングがすっかり定着してしまった香川県は大まかに表すと南北約30km,東西約100kmの半円形に似た,現在日本一面積の狭い県,四国の右上です。
 なぜか,松山や高知と間違えられてしまう県庁所在地,高松市には特別名勝栗林公園と,源平の合戦場となった屋島があります。国の特別名勝に指定されている庭園の中で,最大の広さを持つ栗林公園は,西側の紫雲山を借景とし,すぐれた地割り,石組みを有し,一歩一景といわれる変化に富んだ美しい江戸時代初期の回遊式大名庭園です。
 源平合戦の古戦場として名高い屋島は,おそらく一度見たら忘れられないほど特徴的で美しいフォルムをもつ,瀬戸内海に突きだした巨大な溶岩台地です。その隣には5つの剣(1つは江戸時代に地震で崩落)のような岩が山上にそびえる五剣山があります。どちらにも山上には四国遍路の札所(84番札所屋島寺,85番札所八栗寺)があり,八栗寺にはとてもレトロなケーブルカーで上がることができます。
 香川県に来たら絶対に食べていただきたい,うどん以外のものと言えば,丸亀市の骨付鳥。鶏の骨付もも肉をニンニクの効いたスパイスで味付けし,オーブン釜などで焼き上げたもので,歯に自信がない方にはおすすめできないほど噛みごたえがあるおやどりと,柔らかくて食べやすいひなどりの2種類があります。
 そしてなんといっても,最後はうどん。讃岐うどんを打つときの塩加減を指す言葉に土三寒六常五杯というのがあります。土用の時期と寒い時期,通常の季節での塩の配合量を表す言葉ですが,厳密にいえば,うどん屋さんではその日の気温や湿度で水や塩の加減を,職人の経験をもとに毎日変えて打っているのだそうです。夏と冬では全く配合量は異なるのですが,食べる側からすると違いを全く感じない,そういうところが,職人技なのです。そんなことも頭に入れて讃岐うどんを食べると,また違った感動があるかもしれません。
 同窓諸兄からは「四国にはまだ行ったことがない」というお声がよく聞かれます。是非一度,四国香川へお越しいただき,うどんもうどん以外も堪能していただければと思います。

(平成8年卒 鳥養 智子)