「女性会員活動推進委員会」≪若手会員対象事業≫ 講演会 報告(2019年12月5日)

 令和元年12月5日(木)午後6時より,水道橋校舎西棟ラウンジにおいて,「女性会員活動推進委員会」≪若手会員対象事業≫講演会が開催されました。「今さら聞けない…今だから聞きたい こんなこと,あんなこと」という,普段の臨床において疑問に感じても,今さら聞くのも気が引ける,でも,今この時だから聞いておきたいということも起こるのではないかということより企画いたしました。今回は【歯内療法編】として,歯内療法学講座主任教授 古澤成博先生をお招きし,約50名の先生方が参加されました。古澤先生は臨床経験も豊富,特にマイクロスコープを用いた歯内療法においては日本では第一人者ということもあり,若い先生方も熱心に聞いておりました。
 講演は,「再根管治療のポイント〜原因と対処法から考える再根管治療のコツ〜」と題して行われ,歯内療法に問題がなぜ多いのか,そして,歯内療法失敗の原因を挙げて,その1つ1つについての解決方法を説明されました。ガッタパーチャの除去方法,それが根壁に残った場合のその後の弊害などの話から始まり,解剖学的な歯の形態による治療の難しさ,歯内療法に続く支台築造や根管形成がいかに再根管治療成功のカギを握っているか,さらに根尖開大症例への対応法,そして,各種の水酸化カルシウム製剤の特徴,特にカルビタールについて,さらに,穿孔とその対処方法等をご教授いただきました。結論として,複合感染症である根尖性歯周炎の治療成功の鍵は,テクニカルエラーの防止,仮封・防湿等に至る徹底的な感染防止,適切な貼薬剤の選択,CBCTとマイクロスコープの使用であるということでした。根管治療を無菌的に行わなければならないことは理解していても,高価なマイクロスコープまではとても手に入れられないという現実がありましたが,古澤先生の動画やスライドを見せていただき,さらに,「特に若い先生方は将来のことを考え,高価ではあっても開業時には購入したほうがよい」というお話から,歯内療法にはCBCTのみならず,マイクロスコープも必要欠くべからざるべきものであるという感を強くいたしました。質疑応答を含め,貴重な,あっという間の2時間でありました。
 女性会員活動推進委員会では,今後も,今さら聞きにくい,でも思い切って今だから聞きたい,という観点での講演会を種々の分野で開催したいと考えております。卒業間もない先生方のみならず,また女性の先生のみならず,ぜひ多くの先生方のご参加をお待ちしております。

(総務・厚生部女性会員活動推進委員会委員 昭和55年卒 矢島  麗 記)