岡山県支部は毎月14日に例会を開催し,毎年会誌を発行する慣わしがある。その会誌に,「例会のマンネリ化による出席者数の減少」を危惧する行が記されている。過去の会誌や会務報告を見返してみると,(1)例会に会員が集まらない(2)学術的な活動が停滞している(3)岡山県におけるTDCブランドの埋没化等の課題が浮き彫りとなった。
上記の課題を解決するために学術部で考慮した結果,毎月の例会開催時に勉強会を行うという案を提出して理事会で承認を得た。
勉強会は,学術的な活動を通じて(1)会員相互の親睦をより深める(2)社会的地位の向上を図る(3)母校の発展に寄与する,以上を目的とし,演者は学術部委員を主体とした会員が行う事とした。同窓会への参加を受け身ではなく,能動的に行えるようにし,交流の少なかった会員同士の知られていなかった点を知る事で,親近感が増し今後の支部活動がより円滑になればと考えた。
学術発表の方法としては,(1)毎月14日例会終了後約30分の発表時間とする(2)自己紹介をかねて発表者の在学中の思い出や大学との関わりを盛り込む(3)発表者の臨床での得意分野やトピックを盛り込む,とした。
また,若手の同窓生や例会に疎遠になってしまった同窓の先生にも気軽に参加して貰えるように毎月学術勉強会の内容を新聞風に作成して配布するなど,学術部若手で宣伝活動も行った。
2年の任期期間,13回の学術講演会を開催し,同窓会員が10回を担当した。支部会員77名に対して全企画参加率は27.1%であった。その内,75歳以下の会員(岡山県支部会則により75歳以上等の条件で高齢会員としている)に対する参加率は32.1%であった。この結果は,これまでの例会と比較すると参加率が増加しており,当初の課題に対して改善傾向が認められた。一方で,例会会場から近い岡山市内の会員と他地区会員との参加率の差異が浮き彫りになった。毎回発表後のアンケートより,参加したくても時間的に難しいとの意見が多く挙げられた。
また,この企画を通じて,社会的地位の向上や母校の発展に寄与できたか否かは定かではないが,問題点を修正しながら,継続することで,我々の抱える課題解決につながるものと考えている。
(平成10年卒・須藤 健太郎 記)