巻頭言/伝統ある同窓会の 更なる飛躍を目指して

会長 矢﨑秀昭
会長
矢﨑秀昭

(東京歯科大学同窓会会報 平成30年2月号/第411号より)

 大学の創立120周年記念事業として開始されました水道橋への移転事業により新たに創設されました「さいかち坂校舎」に新入生として入学された学生も本年3月に卒業し,新たに同窓会会員となります。これにより同窓会員も旧水道橋校舎,千葉校舎,そして新たなる水道橋校舎で学んだ方と,三世代により構成されることとなります。
 この大学の移転事業に際して同窓の皆様には血脇ホール建設,さらに水道橋本館西側に建設されました西棟の臨床研修施設等への支援を賜り誠に有難うございました。
 昨年7月に大学として永く感謝の意思を伝えるために,ご寄付を賜った方のお名前を刻んだ名盤を西棟に掲げました。昨年4月に水道橋に新設されました東京歯科大学短期大学歯科衛生学科も同窓の皆様のご支援もあり,大変順調に運営されています。しかしながら,千葉病院や校舎のことなど,大学として今後とも取り組むべき多くの課題があります。引き続き東京歯科大学が日本一の歯科大学とし発展し続けるよう,同窓会員の皆様の絶大なるご支援をお願い申し上げます。
 昨年11月の同窓会評議員会において,本学の建学者である血脇守之助先生により「歯科医師は生涯にわたる研鑽と,共に助け合い,人間性を高める」ことを目指して創設された,120年以上の伝統と実績を誇る本学同窓会の会長を多くの方々のご推薦を賜り,引き続きお受けすることとなりました。私としては4期目となりますが,現在,日本の歯科界を取り巻く大変厳しい環境と同様に多くの課題があります,本学同窓会が未来に向かって更なる発展を期待できる組織となるよう出来る限りの努力をしてゆく所存です。
 今期執行部の目標である①若手会員・女性会員がより参画しやすい組織の構築 ②各支部への会員の加入促進と支部活動の充実 ③会員による大学への支援と母校・学生との連携 ④新たなる情報手段の活用などによるより充実した会員との情報の共有 ⑤多方面で活躍する人材の育成 ⑥財政基盤の強化,に全力で取り組む所存です。
 最近の歯科大学の特徴として特に女子学生の急増が目立ってきています。日本における女性の社会進出,さらに若手人口の減少傾向も関係しているとも思われます。
 同窓会として,このような著しい社会状況の変化に対応するため,今回初めて女性の方に副会長にご就任頂き,さらに常任理事にも3名の女性の会員になって頂いております。このように年々変化する会員の情勢に対応できる,より広い行動範囲のある同窓会の構築を目指してゆこうと思っています。
 同窓会の活動の原点は,全国各支部による多方面にわたる活発な組織活動にかかっています。現在,全国のすべての地域におきまして最大の課題は,同窓会支部会員数の減少傾向に歯止めが中々かからないことです。ここ数年,東京歯科大学は教職員の方々,学生の皆様の大変な頑張りで,現状において合格することが大変困難となっている,歯科医師国家試験を見事に乗り越え,毎年,日本一多くの歯科医師を誕生させています。
 それにも関わらず,支部会員の減少傾向が続いていることは,若手の会員が各支部に入会していない現実です。学生時代から歯科医師として生涯にわたっての同窓会の存在意義をアピールする取り組みと共に,各支部での加入促進の活動を今後ともお願い申し上げます。
 現在,会員は診療所を開業することだけでなく,病院や診療所への勤務,さらにご家庭に入るなど,多様な環境となっています。より多くの同窓と同窓会との連携が構築されるよう,最大限の努力をして行きますので,更なるご支援を宜しくお願い申し上げます。