5月29日北陸新幹線の開通となった富山県宇奈月温泉延楽において,78期生「シチヤ会」のクラス会を行った。北海道から九州までの56名が参加し旧交を温めあった。そのうちの32名が参加した黒部峡谷トロッコ列車の旅では,今年の大雪で開通が前々日いうギリギリだったこともあり,欅平から先の遊歩道はまだ道路整備が完全ではなかったが,深いV字谷と新緑にしばし下界の喧騒を忘れた。また同時進行のゴルフ大会は10名で呉羽カントリーで行われた。優勝は西宮君,ベスグロは前田(康)君。
夕方からの総会は松久保会長の挨拶で始まり,根岸君の司会で亡き友を偲んでから,トロッコに遅刻した原岡君の弁解と乾杯音頭で宴は始まった。ゴルフの表彰や学会から急ぎ駆けつけた髙橋(義)君の母校の現況報告のほか,予定外で歴代世話人へと,輪島塗のプレゼントもあった。天然の生け簀といわれる富山湾の魚や地酒の助けを得て,40年を経て変わったそれぞれの容貌も,昔の記憶で互いに補正しあいながら,市川・水道橋時代の青春話は尽きなかった。最後を締めたのは萩原君指揮の校歌斉唱,なつかしき歌声は渓谷の清流と温泉の湯気に溶けていった。二次会のカラオケ大会の後も,各部屋に移ってどれだけあっても足りない時間だったが,さすが昔日のように夜を徹してという訳にはいかない。
翌日早朝は雨で,41名が参加した室堂バスツアーも,途中までは霧の中を進んだ。だが全国から集まった晴男・晴女のパワーは,弥陀ヶ原あたりから雲を切り払い,立山や剱岳など各連山も惜しげもなくその偉容をさらしてくれた。雪の大谷は最盛期からは減っていたがそれでも十メートル以上,雪のない国からのお客様に喜んでもらうには十分だった。ここでは壁面に「シチヤ会」と大書しても誰にも叱られない。深碧のミクリガ池もまだ大部分は氷の下だったが,池を一周した健脚組はやさしい雷鳥の歓迎を受けた。
翌日に金沢へと足を伸ばす人たちもいて,まだまだ元気な事を確認しあい,次回の再会を約して名残つきぬままの散会となった。
(宮本 宣良 記)