ふるさと自慢:「川のまち・丘のまち・海のまち」/横浜鶴見(同窓会報399号より)

 私の住む鶴見区は横浜市の最東端に位置し,「川のまち」と「丘のまち」に「海のまち」という3つの顔を持っています。
 ここでは,それぞれの「まち」の一端を紹介したいと思います。

『川のまち』

 北東部にあたる鶴見川と多摩川に挟まれた平地のエリア。「六郷渡れば川崎の万年屋,鶴と亀とのよねまんじゅう,こちゃ神奈川急いで保土ヶ谷へ♪」と東海道五十三次の道中を歌詞に歌い込んだ民揺「お江戸日本橋」にも唄われた「よねまんじゅう」は,江戸時代,鶴見橋の袂に軒を並べて売られており,東海道の名物第一号とされたほどの人気だったそうです。明治5年に鉄道の開通と共に姿を消すも,昭和57年に鶴見の菓子組合の努力で復活を果たし,清月の鶴見名物「よねまんじゅう」は神奈川名産100選のひとつに選ばれました。ごく薄い羽二重餅で餡を包んだ小さな俵状の和菓子で,白餡,こし餡,梅餡の3つの味が楽しめます。ぜひ一度ご賞味ください。

『丘のまち』

 北西部にあたる下末吉台地の東端から続く丘陵地のエリア。県立三ッ池公園,獅子ヶ谷市民の森,横溝屋敷周辺などは今も自然が残っています。また,曹洞宗大本山総持寺の境内には,日本初の「歯の塚」があります。横浜がW. C.イーストレーキによる我が国の西洋歯科医学発祥の地であることと,曹洞宗の開祖である道元禅師の著書「正法眼藏」(洗顔の巻)の中で「歯の磨き方」としてどうしたら歯垢や食べかすがよく取れるかが丁寧に解説されていたことからご当地に建立されたそうです。毎年,歯と口の健康週間が始まる6月4日には,抜去歯牙を奉納し「歯の塚供養」が厳かに執り行われます。「歯の塚」は境内入口付近にあり,自由に見学出来ますのでぜひ足をお運びください。

『海のまち』

 京浜運河や埋立地が広がる湾岸エリア。京浜工業地帯の一角でもあり,沖縄をはじめ全国からの人々が移り住み工場などで働く人々が住む街として発展してきました。特に鶴見区は沖縄出身者が多く,沖縄からブラジルやペルーなど南米諸国に渡った人々の子孫にあたる日系2世,3世が親族を頼って多く住むようになりました。その中で「仲通り」には,沖縄料理店や沖縄の食材のお店が数多くあり「リトルオキナワ」が形成されています。また,ブラジル料理,ボリビア料理,ペルー料理,韓国料理といった本場の味わいも楽しめる異国情緒を感じるエリアです。
 このように,鶴見は3つのそれぞれの顔をもった,私のお気に入りの「ふるさと」です。

(平成9年卒 宇佐美 貴弘)

※3/11訂正:文中の内容に誤りがございました。お詫びとともに、本文を訂正させていたしました。