総務・厚生部常任理事
佐々木 眞澄
(東京歯科大学同窓会会報 平成23年6月号/第381号より)
東日本を襲った未曾有の巨大地震,津波,火災は,一瞬にして広大な地域を壊滅状態としました。その後の過酷な避難所生活,全てを失い呆然としている人々,被災地の状況に報道等で接する度に胸が痛くなります。それに加えて原発の事故,いくら想定外とはいえあまりに惨い状況です。この大災害で被災された会員の方々,ご家族,ご親族,ご友人等が被災された方々,また安否不明者の関係の方々に,心よりお見舞いを申し上げます。
被災後,同窓会本部内には大山会長を中心とした対策部会を直ちに設けました。そして,日本歯科医師会をはじめとする関係諸団体等との協力,コンピューターによる「本部と支部との情報ネットワーク」の活用,また各地域選出理事,被災地支部長及び会員による情報収集等を通じて,被災された会員の情報収集・提供に努めております。
また同窓会ホームページには「災害情報用掲示板」を設けました。そして3月19日には同窓会ホームページへの1日のアクセス人数が過去最高の2,910人に達しました。
しかしながら現時点においては,行政も当面の緊急の対応をしている段階で,被災地の全容把握には程遠い状態であります。同窓会本部としては,早急に被災された会員の被害状況を把握しようと鋭意努力いたしております。そして被災された会員に対して,同窓会として少しでも早く協力・支援できればと考えております。
まず震災直後,被災地においては「歯ブラシ」をはじめとした口腔衛生管理用品が極端に不足しているとの被災県の支部長からの情報・要望に対応すべく,物資支援協力依頼を被災地以外の各支部長,各クラス代表者に案内させていただきました。同窓には敏速な対応をしていただき,現在までに全国より多大なご協力をいただきました事に感謝を申し上げます。既に,13,000本以上の歯ブラシ,義歯洗浄剤等の口腔ケア用品を支援させていただき,今後も被災地からの要請にこたえるべく,さらに20,000本以上の歯ブラシ等が同窓より集まってきております。
今後,被災した同窓会員に対する,可及的に速やかなる共済金の支給はもちろんのこと,支援金を始めとした協力・支援をしていければと考えております。
本同窓会の目的は,「会員相互の親睦並びに福祉の増進を図るとともに,母校の発展に寄与することをもって目的とする。」であります。互助のため日頃より共済基金を積み立てております。
そして共済規定では,会員の死亡,風水害地震等の罹災の場合に共済金を支給する事になっております。支給される共済金はその金額が十分なものであるとは決して言えませんが,会員同士の互助精神は,会員相互の結束を堅くするうえで非常に重要な事であると再認識致しました。
また,4月6日には,被災会員への救済・支援を目的とした「支援金窓口」の銀行口座を設け,現在着々と支援金が集まりつつあります。
被災地域の方々は,その被害状況が惨憺で悲痛なものでも,今後,希望をもって将来に向け再生を図らなければなりません。今回のような想定外の大災害の復興に対しては,行政をはじめとして今までの法律,慣例にとらわれない,敏速で臨機応変な対応が求められます。
同窓会としても,今後,如何に被災会員に対して協力・支援していくのか,何が出来るのかを問われていると思います。このような時に,同窓が英知を集め全力で協力・支援し合い,その結果として,同窓の結束がより固まればそれにこした事はありません。
今回の大災害に直面し,暖かい同窓の絆の重要性を再認識するとともに被災された会員,その関係者の方々の精神的なダメージを含めた,一日をも早い回復をお祈り申し上げます。
今後とも同窓会への尚一層のご支援,ご協力を宜しくお願い申し上げます。