巻頭言/更なる躍進に向かって

専務理事 小枝義典
専務理事
小枝義典

(東京歯科大学同窓会会報 令和2年6月号/第420号より)

 会員各位におかれましては新型コロナウイルス感染症パンデミックに対し,公私ともご苦労をされている状況に心からお見舞いを申し上げます。
この度,澁谷新執行部発足にあたり専務理事を仰せつかりました昭和59年卒小枝義典と申します。本来であれば様々な行事の中,親しくご挨拶させていただくべきところでありましたが,それもままならず会務安定化に日々邁進しているところでございます。
本会の新型コロナウイルス感染症への対応としては6月17日までの会員が多数参加する企画すべてを中止とし,後期事業計画見直しについて改めて提案する事といたしております。それに伴い理事会において準備期間を要する関連事業,7月開催予定の学年代表者会やゴルフ大会,TDCアカデミア2020についても中止することが承認されました。加えて会則第37条(地域支部連合会総会は,原則として毎年1回開催する)につきましても本会同様,地域の実情を勘案し開催の延期,中止を含め書面やWeb会議など局面に即したご対応をお願いしているところでございます。
また母校も現在大変なご苦労をされていると伺っております。社会全体が正常な状況に戻るまでは私たちは大学施設の借用などに際して十分な配慮をもって活動していかなければと考えております。各会員におかれましても,十分ご理解の上ご協力いただければ幸いです。
この先が見えない状況においても執行部では今後どのような会員サポートを行うべきかの議論は活発に行われております。状況把握,会費の取り扱い,各種情報提供など前向きに検討する短期的対応。加えて,この機を利用して社会情勢の変化に積極的に対応するための会議の効率化,電子媒体活用や事業のあり方などの具体的対策を中長期的展望として現在も継続協議いたしております。
普段信心に疎い私ではありますが,最近この災害が我々に何かを教えようとしているなどと考えるようになりました。思うに一年前この状況を誰が予測できたでしょうか。ラグビーワールドカップに期待し大成功をおさめ,ジャパンの躍進とともに日本中ワンチームと叫び東京五輪大成功を夢見ていたことは本当に現実だったのでしょうか。しかし私たちは近年多くの同胞が思いもよらない大災害で生活と日常を奪われ失っていたことを忘れてはなりません。現在多くの犠牲者を出しながら世界中が感染症と戦っています。毎日が平穏無事で昨日と同じ今日である保証はなく,実はそれが人類としての宿命なのだと今気づかされています。
私は25年前阪神淡路大震災ボランティアとして参加し個人の脆弱さや限界,有事における組織の重要性を感じ社会活動を積極的に行うようになりました。その後,東日本大震災時には災害対策が組織化され一歩ずつ効率化され,地域ではボランティア意識が醸成され文化として認知されました。
私たち人類は社会という集団で助け合い互いを守りあって進歩してきました。今回の災害は何気ない日常の幸福を知らしめ,人間の思い上がりを戒めている気がいたします。
会務をしているとメリットデメリットという議論がよく聞かれます。しかし常々それは咬み合わない議論だと思っています。若者や変わった個人主義を標榜する人間はよく繋がりを煩わしさと言い換えます。しかし,彼らは今も同じように思っているのでしょうか。東京歯科大学は血脇イズム「家族主義」を標榜してきました。今こそ,この言葉の意味を考える時だと私は思っています。
最後に昨年放映されたドラマ「ノーサイドゲーム」の言葉でこの稿を終わりといたします。
 劣勢に立たされた時こそ,人間の本質が試される
皆様,コロナに負けず,頑張りましょう!