国際医療研究会 Student Society of Tokyo Dental College for International Oral Health

4年 代表 倉澤  馨

 国際医療研究会は平成7年に創部された新しい部活で,国内外を問わず広いフィールドで活動しています。学生自身が活動の企画・運営をすることで,地域歯科保健や国際口腔保健について積極的に学んでいます。
 国際医療研究会の活動は,国内では千葉市歯科医師会主催のヘルシーカムカムへの参加,鴨川での夏合宿,老人介護保健施設などでの口腔ケア体験,在日外国人のための無料健康相談会のお手伝いなどがあります。国外では,アジアの歯科学生との交流団体である,Asia Pacific Dental Students’ Associationへの参加や,アジア諸国を訪問し,現地の大学や保健省,歯科診療所,保育園を見学する海外スタディツアーがあります。国内外でさまざまな活動をしていますが,今回は特に国内の3つの活動について紹介させていただきます。
 千葉市歯科医師会主催のヘルシーカムカムでは,毎年,本学口腔外科の先生方の口腔がん検診のお手伝いをさせていただいています。まだまだ口腔がんの存在についての認知度が低いと講義で教わりましたが,本当にそのとおりで,口腔がん検診を受けられた方の中には,口腔がんの存在をヘルシーカムカムでの検診で初めて知ったという方もいらっしゃいました。
 また,毎年,国際医療研究会では千葉県鴨川市にて夏合宿を行っています。今年は母子保健をテーマに,鴨川市の1歳6ヵ月児健診の見学や鴨川市内の保育園にて歯科保健指導やフッ化物洗口の見学,鴨川市立国保病院と亀田総合病院を見学しました。今年から新たに始まった保育園での歯科保健指導では,大きな歯の模型を使って園児たちに歯みがきの仕方を教えました。5歳前後の子どもたちに歯みがきの仕方を教えることは難しいですが,子どものころに歯みがきの習慣を付けることは一生の財産になるのではないかと考えるようになりました。
 そして,これからの歯科医療のキーワードとなる老年歯科医療について知るために,介護老人保健施設などで施設職員の指導の下,利用者さんの身の回りのお手伝いや食事の介助,食後の口腔ケアをさせていただいています。施設での活動を通して,口腔の健康の大切さを知ることができました。現在,日本は世界に類を見ない少子高齢社会になりつつあり,少子高齢社会に対応した医療制度や歯科保健制度の在り方を模索しなくてはいけない状況にあります。そのような状況に合わせた歯科医療について体験し,考えることで,今後の日本の歯科医療に貢献できる歯科医師となれるように,また,広く世界にも目を向け,国際口腔保健にも貢献できるような歯科医師になれるように頑張っています。
 最後に我々,国際医療研究会の活動の意義を理解してくださり,支援して下さる大学および同窓会,父兄会の方々にこの場をお借りして御礼申し上げます。