エクソソームを用いた診断法の開発に向けて
吉田 光孝(平成22年卒)
近年、いろいろな疾患の分子レベルでの発症機構の理解が進み、その知識をベースとした効率的な治療法が次々と開発されている。同時に、より正確な診断を、迅速、非侵襲的な方法で実現するシステムの開発が望まれている。非侵襲性を考えた場合、唾液や血液といった「体液」が理想的な検体であり、体液を解析する事で、間接的に疾患部の診断をおこなう「リキッドバイオプシー(液体生検)」が注目を集めている。 続きを読む
近年、いろいろな疾患の分子レベルでの発症機構の理解が進み、その知識をベースとした効率的な治療法が次々と開発されている。同時に、より正確な診断を、迅速、非侵襲的な方法で実現するシステムの開発が望まれている。非侵襲性を考えた場合、唾液や血液といった「体液」が理想的な検体であり、体液を解析する事で、間接的に疾患部の診断をおこなう「リキッドバイオプシー(液体生検)」が注目を集めている。 続きを読む
昨年発足した「新進会員制度」を機に、若い先生方との連携を目的に開催した「新進会員のつどい」を開催しました。今年度も卒後5年目までの先生方を中心に「新進会員のつどい」準備会を立ち上げ、着々と準備が進んでいますので、ご紹介いたします。
平成26年度「新進会員のつどい」 |
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日時: | 平成26年11月30日(日)13:00〜16:00(懇親会:16:15〜17:30) |
場所: | 東京歯科大学水道橋校舎 本館 13F |
講師・演題: |
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はじめまして。平成10年卒 石川一麿と申します。
東京歯科大学を卒業して16年。卒業後は歯周療法学講座に入局、都内の開業医2件に勤務後、実家である栃木県で開業し、6年目を迎えています。
これからの時代はペリオだ!と志を抱き歯周療法学講座に残り、はじめての患者に触れ、なにもできず試行錯誤の日々が続きました。講座では、診療のみならず、症例発表、抄読会、学生教育と様々なことを学びました。
そして初めての開業医勤務。全く違う環境の中、地域医療へ触れ、自分の未熟さを知ります。
2件目の開業医。義歯を学びたい気持ちで補綴出身の先生のところへ。
勉強会に所属し、他校出身の先生にも影響も受けました。
同窓会学術委員にも所属し、様々な発表の機会も与えて頂き、診療ではひと通りのことがこなせるようになりました。
そして開業。
自分で理想の病院を心に描き開業準備を始めます。
勤務医から院長そして経営者へ。ここでは自分の社会人としての未熟さを知ります。
診療、経理、スタッフ教育、病院の雑用は多く、仕事量が増大します。
そのうえ責任は全て自分に。自分で稼がなければ借金返済できません。理想と現実に直面します。
様々な葛藤を抱きながらではありますが、たくさんの人に支えられて、毎日仕事に忙しい日々を過ごしています。
それぞれの時代に、様々な人と出会い、そして学び、得てきたことを皆様にお伝えできればと思います。
卒業後すぐに結婚、臨床研修を修了後、歯科麻酔学講座に入局しました。その後妊娠、出産を経て職場復帰。日本歯科麻酔学会認定医取得。現在は主に麻酔(出張鎮静他)の仕事をしています。
卒業して11年。結婚、出産、育児に仕事と完璧には程遠いですが、娘達も大きくなり趣味の時間を楽しむ余裕も出てきて充実した毎日を過ごしています。
女性として家庭を守りつつ社会に少しでも貢献しながら生きていくということは、正直楽なことばかりではありません。特に小さい子供を育てながら働くということのハードルはまだまだ高く、出産後に働き続けるということは職場の受け入れ態勢や、家庭環境などに左右されるところが多いのではないかと思います。ただ、私たちは歯科医師という資格を持っているので細く長く仕事に携わることができます。
では子どもを育てながら働くと、実際どんな毎日になるのか、どんなことが待ち受けているのか、母となり9年、新米ではありますが振り返りながらお話できたらと思います。そして男性の先生方には結婚後女性が(妻が)仕事を続けるためのサポート力について少し現実をお伝えすることができれば、女性がこれからもっともっと育児と仕事の両立をして職場復帰されるチャンスが増えるのではないかと思います。
まだまだ発展途上ではありますが、無我夢中で過ぎた11年を皆さんと一緒に振り返りながら、少しでも不安や疑問を解消するお手伝いができれば幸いです。
近年、いろいろな疾患の分子レベルでの発症機構の理解が進み、その知識をベースとした効率的な治療法が次々と開発されている。同時に、より正確な診断を、迅速、非侵襲的な方法で実現するシステムの開発が望まれている。非侵襲性を考えた場合、唾液や血液といった「体液」が理想的な検体であり、体液を解析する事で、間接的に疾患部の診断をおこなう「リキッドバイオプシー(液体生検)」が注目を集めている。体液中には多くのバイオマーカーが含まれている事が知られているが、近年、これらの多くが、「エクソソーム」と呼ばれる粒子に運ばれている事が明らかとなってきた。エクソソームとは、細胞から放出される直径100nm程の小胞で、あらゆる体液に存在する。エクソソームは、放出した親細胞由来の遺伝情報を他の細胞へと伝達する、細胞間のコミュニケーションツールとして機能しており、神経疾患、がん、免疫疾患などと関連している。体液中のエクソソームを、その親細胞に関連させてサブクラスに分類できれば、得られる情報量は飛躍的に増大する事が期待される。われわれは、がん細胞から体液中に放出されたエクソソームを他のエクソソームサブクラスから分離する方法の確立に取り組んでいる。具体的には、がん細胞に特徴的な細胞膜タンパク質に焦点をあて、これを発現するエクソソームを選別できるシステムの構築を試みている。このようなエクソソームのクラス分け(差分化)は、将来的には、診断のみならず、エクソソームを用いた新しい治療法の確立へとつながると考えられる。
高齢社会を突入した現代において、有病者が増加し歯科医療も困難な時代を迎えています。抜髄や外科小手術などの処置後に、抗菌薬・鎮痛薬を処方することも多いと思います。そんな時、高血圧、喘息や腎不全などの基礎疾患、疾患ではないですが妊婦・授乳中の患者さんには慎重な薬剤の投与が必要です。今回は、日常臨床で注意を要する疾患に注目し実際の薬剤投与についてお話ししたいと思います。
★予定の講演内容以外のご希望があれば、ぜひ若手ネットワークMailBoxまでご連絡ください。
https://tdc-alumni.jp/organization/dousoukai/wakate_network/wakate-net_mailbox/
(※2013年7月19日追記:「新進会員のつどい」特設ページを掲載しました。特設ページはこちら >>)
今年度より東京歯科大学同窓会では、若手会員の活躍を期待し、卒後5年以内の会員を対象とした「新進会員」制度を取り入れることとなりました。そこで、新進会員制度発足を記念し、「新進会員のつどい」を開催いたします。
奮ってご参加下さい。当日は、若手会員による講演、懇親会を予定しております。
もちろん無料です。(6月初めに、同窓会事務局より出欠の案内ハガキが届きます)
演題: | 「デンタルナビゲーション 〜研修医から臨床医へ〜」 |
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主催: | 東京歯科大学同窓会 |
後援: | 日本大学歯学部同窓会 |
講師: | 鈴木 尚(東京都開業) 相庭 常人(神奈川県開業) 菅野 文雄(東京都開業) |
日時: | 平成24年12月9日(日) 13:00〜17:00 |
場所: | 水道橋TDCビル 13F A教室 |
大学卒業後、臨床研修医から歯科医師として臨床の現場に立つことは、不安でもあり毎日が研鑽です。 今まで大学からの受け身の教育でしたが、これからは自分で学び技術の向上に努めて行かなければなり ません。卒後から数年間いかに歯科医療に取り組んだかが、歯科医師としての生涯に大きく影響を与え ると言っても過言ではありません。このセミナーでは、若い歯科医師がどう学びどうすべきか、自分が 選択した環境でどう歯科医師としての資質を磨くか、ナビゲートしたいと思います。
また、医療人として知っておいてほしい日本の医療保険制度、海外事情、さらには歯科医師としての専門分野への道も紹介いたします。
研修医の皆さんは新年を迎えると、間もなく臨床歯科医師として社会に一歩を踏み出すはずです。入学以来、長く続いた指導される立場からいよいよ自立することになるのです。指導に当たってきた多くの諸先輩は、社会に通用する立派な歯科医師を目指してほしいと考えているでしょう。そんな思いで研修医の皆さんの背中をもうひと押ししたいと考えて七つの提言としてまとめてみました。一年間の研修成果をさらにアップさせるためのメッセージになれば嬉しく思います。
-歯科医療はまだまだ形を変えながらも伸びる分野です。
皆さんは大きな夢を持つべきでしょう。
その夢を実現するには臨床を好きになる心と楽しむ力、
そして尽きることのない好奇心を持たねばなりません。
卒業後、まだ比較的年数が経過していない若手の先生は、正しい知識と正確なスキルの獲得を目指して日々、臨床にて研鑽しているかと思いますが、日本における歯科医療においてはそのほとんどが保険治療と言われる、いわゆる医療保険(国民皆保険制度)にて行われていることもご理解いただいていると思います。そこで、今回は、日本の医療保険制度の概略をご理解頂き、さらに日本における将来の歯科医療の展望を考察してほしいと考えました。
講演内容を掲載しております(要パスワード)。ぜひご覧ください。
-今後起こりうる超高齢化社会に対しても漫然と過ごして待つのではなく、日本における社会保障制度をより良いものにするため、また、個人の意見を国に伝えるためにも歯科医師会や同窓会を利用しましょう!
個々のおかれている環境や適性などによっても歯科大卒業後の選択肢は多岐にわたると思います。
以前から “卒後5年ぐらいの経験が歯科医としての基本を作る”とよく言われます。
“三つ子の魂百まで”的な話だと思いますが、個人的には同感するところがあります。
-留学といっても目的や場所、期間によって
その形態は多岐にわたることは想像できると思います。
(中略)
-もうひとつメッセージを送るとすれば、
英語を勉強しましょう・・・ということです。
これは留学するしないに関わらず、
将来必ず役に立つと思います。
臨床に関する知識と技術の向上を図るには、スタディグループやセミナー、講習会などに参加する方法がありますが、学会が認定する専門医資格に挑戦することも有効な手段の1つです。
学会認定専門医とは、医学、歯学の高度化、専門化に伴い、その診療科や分野において高度な知識や技量、経験を持つ医師・歯科医師のことで、学会認定医、学会専門医、学会指導医からなります。
-学会認定専門医を取得することは、問題解決能力やケースプレゼンテーションのトレーニングになります。
そして、その経験が臨床に関する知識と技術の向上を図る有効な機会となるだけでなく、資格取得後の臨床を続けていく上での貴重な財産となることでしょう。
卒業後、まだ比較的年数が経過していない若手の先生は、正しい知識と正確なスキルの獲得を目指して日々、臨床にて研鑽しているかと思いますが、日本における歯科医療においてはそのほとんどが保険治療と言われる、いわゆる医療保険(国民皆保険制度)にて行われていることもご理解いただいていると思います。そこで、今回は、日本の医療保険制度の概略をご理解頂き、さらに日本における将来の歯科医療の展望を考察してほしいと考えました。