愛知県支部/未入会同窓への対応についての提言

 本年9月25日,東海地域支部連合会において,愛知県橋本雅範支部長より新入会員への取り組みについてお話がありました。まさしく同窓会本部の考えとも一致する,先進的な考え方と思い,今回橋本支部長にお願いし,「支部のうごき」としてご紹介させていただきました。その他,全国を回らせていただく中,神奈川県や愛媛県でも積極的に行われているとのお話も伺っております。
 各支部の先生方に於かれましてもこの取り組みを参考にしていただくとともに,更なる効果的対策があれば,ご紹介いただきたいと思っております。

(本部同窓会 専務理事 小枝義典)

未入会同窓への対応についての提言

愛知県支部 支部長 橋本雅範(昭和53年卒)

 令和7年に創立130周年を迎える東京歯科大学同窓会は現在,昭和・平成・令和の卒業の3世代にわたる同窓から構成されており,その比率は平成の卒業生が昭和の卒業生をわずかに上回るようになっています。しかしながら,支部加入率は昭和卒業の同窓の約80%に対して,平成卒業の同窓は50%前後に止まり,今後の同窓会活動に支障がでることが危惧されています。
 現在,東海地域支部連合会の会員数は439名と減少傾向にありますが,東海4県出身の在学生は58名とのことです。この若き同窓歯科医師が地元に戻ったときの支えとして,支部同窓会では魅力があり楽しく参加できるよう学術を中心とした活動が不可欠となります。
 このたびご依頼がありましたので,愛知県支部が考え実行している事項をご参考までに紹介させていただきます。
 ひとつは,県人会組織を通して同窓会支部とその活動について,在学生,大学院生,医局員への周知を図ることです。そして,同窓が地元に戻った際に速やかに勧誘できる体制を構築することが大切です。愛知県では県歯科医師会への入会時,会員向け広報誌「愛歯月報」に新入会員が出身校付きで掲載されます。その段階でアプローチし入会を促しています。
 もう1点は個人情報保護に抵触しない範囲で本部同窓会から支部へ同窓の異動情報を提供いただくことです。可能であれば,若手同窓から転居届が提出された際,転居先の同窓会支部の活動内容等を伝えていただければ,アプローチの際,ご本人の理解が早いと考えられます。また,転居届の提出があったことを支部に連絡いただけるとそのタイミングで勧誘を行うことができます。
 以上を踏まえ,愛知県支部が令和4年度に行った事業内容を記します。

■ 六校会第1回合同講演会

 記念すべき第1回合同講演会は令和4年3月6日愛知県歯科医師会館において,東京歯科大学名誉教授の柴原孝彦先生に「口腔粘膜は我々の専門領域」というテーマで口腔がんに関するご講演をいただきました。六校会とは県内の大阪歯科大学,九州歯科大学,東京医科歯科大学,日本歯科大学,日本大学歯学部・松戸歯学部,東京歯科大学の旧六校の同窓約700名からなる組織で,歯科医学,医療に関する最新の知識習得および交流を目的としています。当日は,ハイブリッド開催となりましたが,約150名の参加者があり,とても好評でした。

■ 親睦講演会

 4月17日,蒲郡市に新設された「ラグーナ・ベイコート倶楽部」に東京歯科大学歯科医療政策学教授 田口円裕先生をお招きして「歯科保健医療の方向性」についてご講演いただきました。講演終了後はおしゃれなイタリアンレストランで久しぶりにリアルでの親睦を深めることができました。

■ 若手勉強会

 若手勉強会は10年前に成瀬 健前支部長の発案により始まったもので,毎年5月に開催され着実に成果を上げています。今年は支部主催の社保講習会と同日の5月22日に,会員の加藤 勇先生,大矢恭太郎先生に日常臨床に役立つ講演をしていただきました。

■ 学術講演会

 8月21日に藤田医科大学口腔外科教授の吉田光由先生に他職種連携についてご講演いただきました。学術講演会は例年8月20日前後という,在学生がお盆帰省中に参加しやすい日程で開催しており,大学の愛知県人会を通して毎年,メール等で案内していただいています。今年は嬉しいことに2名の学生(2年生1名,3年生1名)から,ぜひ出席したいとの連絡がありご参加いただきました。出席の2名からは「とても有益でした。来年も参加させていただきます。」との感謝のメールが届いています。地元で開催される同窓会支部主催の学術講演会を通して同窓の先生方と交流できることを,学生の頃から念頭に置いていただくことにも繋がり,今後も是非継続していきたいと考えています。

■ 東海地域支部連合会総会・記念講演

 9月25日,総会に引き続き,東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科・内科学講座教授の寺嶋 毅先生より「COVID-19の知見とオーラルヘルスとの関わり」と題してタイムリーな素晴らしいご講演をいただきました。

■ 総会・記念講演

 総会は12月11日に開催され,記念講演では東京歯科大学歯内療法学講座教授 古澤成博先生に,最新の歯内療法について詳細な解説を行っていただきました。

 おわりに,「歯科医師たる前に人間たれ」という血脇イズムを生涯の指針とする東京歯科大学の素晴らしい伝統を若き先生方にしっかりと伝えていくことも同窓会の大切な使命です。
 輝かしい歴史を持つ東京歯科大学同窓会が,今後も末長く活動を続け,さらに発展していくことを心から祈念しています。