常任理事
小林健一郎
(東京歯科大学同窓会会報 令和4年12月号/第430号より)
明治28年に発刊された歯科医学叢談に続き,昭和22年に東京歯科大学同窓会会報として第1号が発刊されました。巻頭言が始まったのは昭和48年2月に発刊された151号の井上 真同窓会会長の「新年のご挨拶」からであり,その内容は時事にも踏み込み,また母校愛に満ちたものでありました。今回その巻頭言を担当できることを誠に光栄に思います。
本年9月8日からイギリスの君主が,エリザベス2世からチャールズ3世に引き継がれるなど世界中でも様々な引継ぎが行われています。東京歯科大学でも6月に学長を11年に亘って務められた井出吉信先生から一戸達也先生に引き継がれました。一戸新学長は,社会貢献という観点から,知的財産の取得や政策誘導力,さらに提言などを発信する機会をつくることも強化したいとの意向があり,同窓としても大いに期待するところであります。私が担当する東京歯科大学同窓会渉外部の仕事にも関係していると思われます。
渉外部では,1)各歯科大学・大学歯学部の同窓会・校友会との交流を図り緊密なる友好を深める。2)渉外活動に関する情報交換を進め,全国レベルでの情報の共有と集約を図る。3)会員の歯科医政関係者とは緊密な連携を保ち医政の推進を図る。4)母校との連携のもとに国・公・私的機関等と協力し,人材の確保,育成に努める。5)生涯研修制度や歯科保健医療制度の動きを分析し現在の課題を解決し将来を考察するシンクタンク機能の推進を図る。6)社会保障関係者と交流を深める。7)「東歯同窓国会議員を支える会」を介して,同窓国会議員を支援する。という目標があります。
母校建学の祖である血脇守之助先生は,近代歯科医学の基礎を確立しつつ,政治家の側面もあり,当時の民政党や政友会の実力者と協働して活躍され,一方で,医師法・歯科医師法という法律を確立したと伺っております。同窓会としても上記の目標にあるように,参議院議員島村 大先生の応援にも今まで以上に力を入れていきたいと考えております。渉外部の目標の3)と5)にも絡めて,母校歯科医療政策学の教授田口円裕先生など厚労省経験者のお話を伺える機会をつくるようにしてまいります。また社会貢献の機会も増やすために,一戸学長の構想の中にあります知財関係の取得に関しても同窓としてバックアップしていこうと考えております。さらに同窓会として他大学との交流も盛んにしていくように努力していきたいと思います。
リレー競技でもバトンの受け渡しが順位の鍵を握ります。今回私は同窓会渉外担当の常任理事というバトンを同じ苗字である小林慶太先生より,本年1月から引き継ぎました。たまたま小林慶太先生とは母校の現老年歯科補綴学講座の同門です。受け取ったバトンを次にしっかり渡せるように活動し,より良い同窓会になるように頑張ります。母校創立120周年記念のメインタイトルは,「継承と発展」でありました。私も同窓会130周年記念に向けてバトンを繋ぎ,発展していくように微力ながら努力していきたいと思います。