オミクロン株によるコロナウイルス感染症が再度の拡がりを見せ始めている令和3年12月12日(日)名鉄グランドホテルにて,ご来賓として東京歯科大学歯周病学講座教授の齋藤 淳先生と同窓会澁谷國男会長にご臨席いただき,標記総会が開催されました。
小関健司専務理事の司会のもと,鈴木祥夫副会長の開会の辞に続いて橋本雅範会長の挨拶がありました。橋本会長は挨拶の中でコロナ禍の中,愛知県では歯科医師により11万人のワクチン接種が完了したと説明があり,大変多くの先生方にワクチン接種に協力していただいたことに対して感謝の言葉がありました。また,11月25日には島村 大先生の政策セミナーが東京で開催され,世話人代表の菅前首相より,歯科医師によるワクチン接種協力についてお礼のお言葉があったとの報告もありました。
続いて来賓の齋藤 淳先生から大学の現状について,今年は慶應義塾大学と東京歯科大学の統合の話があったことにより,大変多くの生徒が受験され,愛知県出身者は5名合格されたと説明がありました。最近の国家試験の合格率については,結果は良好であるが,入学してストレートに卒業し国家試験に合格する率は更に改善していく必要があるとのことでした。
また大学の現在の経営状況は良好であるが,歯科大学への志願者は年々少子化により減ってきており,今後,学生の定員割れがないことが重要であると報告がありました。
次に澁谷國男同窓会長より慶應義塾大学との統合について説明があり,その後,同窓会の現状について,同窓会活動はそれぞれの行事がWeb で円滑に開催されている。ピンチをチャンスに変えて活動していきたいと力強く話されました。
続いて,議長に昭和46年卒の山田 有先生が選出され,各部報告,外部会議報告等が各常任理事より滞りなく行われた後,監査報告,議事,協議が行われました。
議事では橋本会長の再任が承認され,最後に昭和34年卒の岩瀬 朗先生が高齢者叙勲(瑞宝双光章)学校保健功労を受章された事と橋本雅範先生が文部科学大臣表彰・学校保健功労を受賞された報告がありました。
続いて長谷部雅志副会長より閉会の辞があり,総会は無事終了しました。
記念講演は,「明日から実践!歯周組織再生療法」という演題で齋藤 淳先生にご講演いただきました。内容としては,進化し続ける歯周組織再生療法は,2016年の塩基性繊維芽細胞増殖因子(FGF-2, BFGF)製剤「リグロス®歯科用液キット」の登場により,益々身近になった。今回は再生療法,とくにFGF-2製剤を使用する方法を中心にお話され,臨床の実際や実施前後の注意点,講座で取り組んできた基礎・臨床研究からの最新の知見について紹介されました。その中で,治療を成功に導くためには,歯周基本治療として,プラークコントロールで炎症をコントロールすることが重要であること,歯周組織再生療法の新たな可能性として,患者に使用メカニズム,費用等選択肢があること,新たな成長因子,細胞や遺伝子治療の開発をしていること,最後に術者の技量向上も重要であると述べられました。
講演終了後,全員の記念写真撮影がありましたが,今回も残念ながら懇親会は中止となりました。次年度は是非開催されることを期待しています。
(平成2年卒・白岩 克規 記)