6月8日(土)午後6時から,中原歯科保健センターにおいて,平成31年度川崎水橋会学術講演会が行われた。
本年は,東京歯科大学口腔健康科学講座スポーツ歯学研究室の武田友孝教授をお招きして,「スポーツ歯科医学の現在と展望~東京オリンピックで歯科医師ができること~」と題する講演が行われた。
国民の健康意識の向上によって,我が国におけるスポーツ人口はこの30年で増加傾向にあり,2020年の東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに,より一層増加することが予想される。
このような社会状況の中で,参加する選手達あるいは開催サポートに携わる国民に対し,歯科医師として歯科医学・医療の支援という側面から貢献できる環境を整備しておくことは今後のスポーツの発展にも繋がると思われる。
そのためには,我々が率先してスポーツ医学に関する知識や応急処置のスキルを身に着けておくことが求められる。
本講演では,マウスガードの効果,知っておきたい応急処置,平昌オリンピックでの体験話, スポーツ中のクレンチングや筋電図の変化,マウスガード作製のコツなどを極めて分かり易く説明された。
興味深い話としては(1)過去に,オリンピック出場選手に対する歯科の組織的なケアが行われていなかったことで,歯科トラブルによってベストパフォーマンスが出なかったという選手がいたことが判明し,それ以降,オリンピック特別強化指定選手は全員が内科・整形外科に加え歯科の定期健診を受けるようになった事,(2)水泳選手はプールに含まれる酸によって酸蝕症になりやすいために,ストローで歯に触れずにスポーツドリンクを飲むようにしていることなどスポーツと歯科が密接に関連していることを改めて実感した。
講演会終了後は,武蔵小杉駅近くの「APPETITO」にて懇親会を行った。
サプライズで本会員の誕生日ケーキが出されるなど和気あいあいとした雰囲気で楽しい会であった。
(平成23年卒・大木 章生 記)