愛知県支部/平成29年度若手勉強会・社会保険研修会(共催)

 5月21日(日)14時より,愛知県歯科医師会館において愛知県同窓会若手勉強会と社会保険研修会が開催された。若手勉強会は平成24年から始まり,年に一度開催されてきた。移りゆく時代の中で,若手歯科医師はこれからの歯科界を引っ張っていく必要がある。若い世代がお互いに情報を交換し刺激しあい,先輩方からアドバイスを頂き,成長し続ける場としてこの勉強会は6回目を迎えることとなった。演者は「毎日の診療から・VI」と題して,現在開業医として活躍している2名の若手の先生が講師として選ばれた。
 最初の演者は,平成17年卒名古屋市名東区開業の成瀬晋一先生より「当院の診療で気になること,あれこれ」と題して発表が行われた。成瀬先生は大学卒業後,本学口腔病理学教室で研鑽を積まれ,現在は父親(成瀬 健先生)と共に地域医療に携わっている。発表内容は,臨床で経験した抜歯時のソケットプリザベーションや残根歯のエクストルージョンの症例と,自身の大学院時代の研究分野であった歯根膜による骨リモデリングの研究成果を交えお話された。また最近ラグビーで損傷した自身の膝における手術について話され,医科において歯科で用いるPRGFが応用されていることや,損傷部の再生における移植について歯科分野と関連する内容があると発表された。
 次に平成8年卒,愛知県豊明市開業の外山敦史先生より「地域包括ケア時代の歯科医療を考える」と題して発表が行われた。外山先生は大学卒業後,愛知学院大学口腔衛生学講座にて研鑽を積まれ,現在は一般診療と訪問診療を中心に地域医療に携わっている。発表内容は,急激な超高齢化により歯科医療のニーズが変化している中で,在宅要介護者の増加により多職種と連携を取りながら訪問診療を行うことが求められること,介護予防として摂食機能の維持・向上のための支援体制が求められていることを,統計学と臨床経験に基づき発表された。また,地域包括ケアシステムの構築には,郡市区歯科医師会が積極的にかかわっていく必要があることもお話しされた。
 その後,社会保険研修会として愛知県歯科医師会社会保険部次長で平成4年卒の丹羽克誌先生にお願いし,「保険請求に必要なカルテ記載について」と題して講演が行われた。改訂直後の新着情報を得ることができ,集まった先生方は大変有意義な内容に満足している様子であった。若手勉強会及び社会保険研修会は,先輩,後輩ともに良い刺激となり,明日からの診療の活力を与えて頂ける内容であった。

(平成13年卒・酒井 聡 記)