事業推進部常任理事
山本 英之
(東京歯科大学同窓会会報 平成23年10月号/第383号より)
「変革と発展」を目指して邁進してきました大山執行部2期目は,早くも最終コーナーにさしかかって参りました。あと,残るは最後の直線,11月の評議員会において機構改革案をご承認頂けるかどうかというところまで来ました。
事業改革については昨年度の評議員会で事業計画が一足早く承認され本年度からスタートしています。その中で今までの学術部は事業推進部(保険部と学術部が統合して保険委員会,学術委員会,大学・同窓連係委員会,シンクタンク委員会,若手研修委員会の5委員会として成り立っている)に取り込まれ,各委員は保険委員会以外の各委員会と学術委員会を兼ねて新たに活動をしています(保険部も同様)。
学術委員会の前身の特別委員会が立ち上り,TDC卒後研修セミナーが開催されて36年目,1994年には特別委員会から同窓会学術部に企画運営が替わり,今振り返れば,この時が学術委員に立ちはだかった改革の最初の“山”と思われます。その後,1998年に経団連会館から会場が血脇記念ホールに移りました。そして,その前後2~3年間はセミナー内容の検討が喧喧囂囂行われ,2001年より現在の実習セミナーやディスカッションセミナーが主体に行われように成りました。この頃が第2回目の“山”で,その後が今回の改革,第3回目の“山”と思われます。
TDC卒後研修セミナーは,発足当初「総合的な視点にたった歯科診療」を企画主旨とし,臨床家の発想による臨床家のためのセミナーを目指していました。そこでは,総合的な視野で学ぶことの大切さを主張してきました。このことは「タテ糸・ヨコ糸論」と学術委員の中で呼ばれていた考え方です。あと,セミナーを継続している中で歯科疾患を考えるにあたって2つの「芯」が出来上がりました。1つは,歯科疾患は時間の経過とともに変化する疾病,つまり「慢性的疾患」であるということ,もう1つは,口腔内はもちろんその患者さんを取り巻く背景をも含むと一人ひとり異なっているため,その人その人で対応が異なる「個の多様性」があるということです。今までの2つの“山”とも,この継続事業の中で培ってきた2つの「芯」と「タテ糸・ヨコ糸論」の基本姿勢がしっかりしていたために今までの“山”も何とか越えられて来たと思います。
事業推進部に含まれてからは,今まで以上に仕事量が増えたにも関わらず,委員内の研修活動が活発となり毎月若手委員が症例を持ち寄り検討会を行っています。その場には,卒後間もない委員以外の勤務医の先生や水道橋病院の研修医や医局の先生方も時々参加して,執行部が掲げています若手同窓支援の一端を担っている様にも映ります。この若い委員の先生方のパワーと今まで培った2つの「芯」,そして「タテ糸・ヨコ糸論」の基本姿勢があれば今回も必ずこの目の前の“山”を乗り越えられると思います。
学術委員会に限らず各委員会は,若い委員のパワーでこの改革に積極的に取り組んでいます。この「若いパワー」こそ,大山執行部の目標の一つであります若手同窓に魅力ある同窓会への改革の原動力であることを確信しています。