私の臨床ノート「欠損歯列をどう見るようになったか」(その2)欠損歯列の病期と病型(同窓会報第400号より)
(その2) 欠損歯列の病期と病型
1.病期と病型
どのような原因で欠損歯列になったのかという成因の詮索も確かに大切ですが,慢性タイプの疾患では,継続する病状の流れを見極めることも忘れてはならないはずです。病状の流れをみる見方は「病期と病型」という2つの視点でとらえられます。病期とは進行段階(ステージ)のことで,たとえば乳がんの進み具合を,しこりの大きさやリンパ節への転移のあるなし,皮膚などへの広がりなどを指標にしたTNM分類があり,病期1からIVまでのステージに分類されています。その進行ステージはどのような治療を選択するかに反影されます。