長野県長野市を紹介させていただきます。
長野市は長野県北部の中心都市で,国宝である善光寺の門前町として有名です。周辺の観光地への前線としても重要な位置を占めています。全国47都道府県のうち最も高い位置(標高371.3m) に県庁の本庁舎がある県庁所在地でもあります。1998年(平成10年)に長野オリンピックおよび長野パラリンピックが開催され,北陸新幹線の開業の後押しもあり,現在では日本のみならず海外からの観光客も多く訪れています。長野といえば「冬」のイメージがあると思いますが,11月には冬では珍しい煙火大会「ゑびす講煙火大会」が開催され,新作花火や色彩豊かな花火が音楽とともに咲き乱れ,冬の訪れを感じさせてくれます。
長野市の名勝である善光寺の御本尊である一光三尊阿弥陀如来像は,仏教伝来の折りに百済から日本へ伝えられた日本最古の仏像と云われています。御本尊は秘仏となっていますが,7年に1度,ご本尊の分身である前立本尊の御開帳が行われています。創建以来約千四百年の長きに亘り阿弥陀如来との結縁の場として民衆の心の拠り所として深く広い信仰を得ています。「一生に一度は善光寺詣り」と言われるようになり,今日では御開帳が行われる丑年と未年に,より多くの参拝者が訪れています。善光寺は,各宗派に分派する前に創建されているため無宗派の単立寺院です。近年,1年を通じ様々な催しが行われています。なかでも冬の善光寺イルミネーションや夏の灯明まつりは幻想的な雰囲気を醸し出しており,新たな人気となっています。
長野市は歴史と関わりも深く,市内には様々な史跡が点在しています。
川中島古戦場(八幡原史跡公園) は, 武田信玄と上杉謙信が戦った有名な川中島の戦いの中でも最も激しかったとされる第4次の戦いの主戦場となった場所で,この付近に武田軍が本陣を置いたと云われています。武田軍が勝鬨を上げたとされる八幡社境内には武田信玄と上杉謙信の一騎打ちを再現した「三太刀七太刀跡」の石碑があります。春には古戦場を流れる千曲川沿いの桜が美しく咲き誇ります。同じく合戦の舞台となった武田軍の海津城(松代城)は,真田家が代々藩主を務めた松代藩の主城であり,真田家屋敷では真田家ゆかりの品々を観ることができます。その松代藩が後に輩出した偉人として,黎明日本の礎を築いた,幕末の先覚者である佐久間象山がいます。佐久間象山を祀る象山神社には,佐久間象山が開いた五月塾の塾生である勝 海舟・坂本龍馬・吉田松陰・橋本左内・小林虎三郎等の銅像が建立されています。
長野市では四季折々,様々な新しいイベントが開催されています。きっと新しい楽しみ方が見つかると思います。以前訪れたことがある方も,初めての方も,歴史浪漫に溢れる長野市に一度足を向けてみてはいかがでしょうか。
(平成15年卒 水橋博行)