平成30年12月9日13時より第2回役員会,第78回定時総会,記念講演,懇親会がホテルアソシア静岡にて行われました。
役員会では報告事項等スムーズな進行により終了しました。定時総会ではご来賓の東京歯科大学理事長・学長の井出吉信先生より現在の水道橋校舎,その近辺の土地の状況,将来的な計画,また千葉校舎での現在の状況,今後の計画等をパワーポイントにてお話をいただきました。特に千葉校舎では講堂,基礎棟,テニスコート,駐車場がなくなり賃貸や売却等土地の活用について,また講堂跡地には千葉歯科医療センターという高度な診療教育システムを備えた新しいシステムを構築しているとのことでした。そして他大学との連携協定を結んだ事や他歯科大の動向についてのお話もいただきました。
同窓会副会長の澁谷國男先生からは元同窓会会長矢﨑先生がご逝去されたことについてお話いただきました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
記念講演では『史上最大の暗殺集団デンタルプラークとのバトル』と題しまして東京歯科大学名誉教授の奥田克爾先生にご講演をいただきました。
「デンタルプラーク細菌は誤嚥性肺炎や動脈硬化症,糖尿病といった全身疾患と密接に関わっていることが明らかにされてきた。最近では歯周ポケット内のスピロヘータはアルツハイマー病患者の脳内から高い頻度で検出されたり,S.ミュータンス菌が脳内出血を起こすこと,他の歯周病原菌と合わさって大腸がんや食道がん,また関節ではリウマチを起こすことがわかってきた。口の中の細菌たちは少ない言葉(QSシグナル)を使って細菌だけでなく免疫細胞とも会話し(クロストークという),バイオフィルムを作る。これに対して,QSシグナルを邪魔して静菌させておくという目的でマクロライド系抗生物質を使用するという考え方がある。しかし長期的に使うと腸内細菌の細菌叢を壊してしまうためできるだけ短期間で使うべきであると考えてる。長期的に使って腸管細菌叢を崩さないもので感染予防として抗菌性洗口液リステリンを長く使用してる。私のハッピーライフは東京歯科大学であり,本を執筆しながら思うのは脈々と流れる東京歯科大学の歴史を誇りに感じることです。」
続いて鈴木 龍先生(磐周 昭和58年卒)からは,アジスロマイシンを低濃度中期投与する治療法(QSシグナル阻害剤として使用)の考え方と症例をお話ししていただきました。
その後は懇親会が行われ,賑やかな一時を過ごしました。
(平成13年卒・片岡 洋平 記)