巻頭言/時代の変わり目に,どう対応していくか

副会長
小枝義典
(東京歯科大学同窓会会報 令和7年2月号/第439号より)
激動の令和6年も終わり,令和7年2025年が始まりました。世界に目を向ければ,平和な世界が音を立てて崩れ始め『戦争』の二文字がお隣の国まで迫り,国内においては政権の不安定さが歯科界にも大きく影響してきているように感じます。
冨山執行部も2年目を迎え,課題である一部法人化(一般社団法人 東京歯科大学同窓支援会)を1月18日に設立。〔詳細は評議員会報告をご参照ください〕8月には創立130周年記念,年末には名簿の発行など大変な一年の幕開けとなりました。
また,昨年11月の評議員会協議において歯科界を取り巻く同窓会の状況を報告し,組織力強化のための方向性について評議員の皆様にご意見も伺いました。
同窓会において会員構成はすでに昭和卒よりも平成卒の方が多く,会員における女性の割合も増えております。大学においては男性が女性を上回る学年が1学年だけだとも伺っております。そして令和5年度会費請求対象者については,この時点で64%納入率という状況になっております。会費は原則支部からの納入になっており卒業年度別に見ますと大体平成10年から14年くらいが踊り場で,それ以降は支部未加入者会費未納者が多くなります。この傾向は平成8年くらいから見られることから,私見ですが歯科に研修医制度が導入された影響も大きいかと考えております。研修医制度ができ,歯科医師としてのキャリアパスに変化が起こり,歯科医師として最終的にどうなるというビジョンが一昔前と違ってきていると思っているわけです。卒業してから色々な場所で修業して即開業するパターンから,開業するタイミングが遅くなる,もしくは勤務医として生涯過ごしていく方向になりつつあるのではないかという見立てです。
別な視点で見てみます。〔ここからはNo.438会報12月号山本秀樹副会長の巻頭言も合わせてご参照ください〕日本歯科総合研究機構の統計資料によると1982年以降,40年間で初めて歯科医師数が減少。そして令和2年と4年を比べ診療所の開設者は,2,100名減少し勤務者が逆に568名増加しています。総会等で地方にまいりますと,支部に加入される方が少ないとよく伺います。また,支部に入るタイミングを逃し,会費未納が重なり数十万円までなってしまうと,そこまでして支部に入りたい意欲がなくなるなどとも考えます。加えて継承問題についても開設管理者の世代60代がピークとなり,将来継承について予定なしという方が52.5%というアンケート結果もございました。
現状,東京歯科大学同窓会をどう守っていくかということは早急に分析し対応すべき時が来ていると日々感じているところです。
大きく変わりゆく社会に対して,これからも巳年のヘビのように脱皮しつつ,しなやかな動きをもって対応していくことが必要です。会員の皆様のご意見を伺いながら奮闘努力してまいりますので,これからもなお一層のご支援ご協力のほど,よろしくお願い申し上げます。