愛知県支部/平成28年度総会,記念講演会ならびに懇親会

 平成28年12月4日(日)名鉄グランドホテルにて平成28年度東京歯科大学愛知県同窓会総会,記念講演会ならびに懇親会が盛大に開催された。
 総会では来賓として副学長の一戸達也先生,同窓会本部より副会長の早速晴邦先生にご臨席戴いた。始めに成瀬健会長の挨拶では,同窓会120周年記念誌の内容より,同窓会設立の時の目的は歯科医学の情報の交換,会員の親睦,歯科医師としての品格を高めるという三つであり,さらにこれからの歯科医師に求められることは「先進性」,「グローバル化への対応」,「リベラルアーツ」の三つを身に着ける事,そういう歯科医師になれるよう同窓会で学んでほしいと書かれてあったことについて話され,愛知県同窓会でも記念誌の発刊に向け,伝統ある東京歯科大学同窓会の過去から未来へ繋ぐという意気込みを話された。来賓からの報告および総会はとどこおりなく行なわれ,その後,高齢者叙勲・瑞宝双光章を受章された昭和25年卒業の西村秀祐先生(豊橋市)と,文部科学大臣賞を受賞された昭和44年卒業の夫馬眞也先生(江南市),昭和46年卒業の山田 有先生(南区)へのお祝いがあり,橋本専務より次年度から入会される平成5年卒業今泉千浪先生が紹介された。
 記念講演会は,「あなたに逢えてよかった」という演題で名古屋中部地区ではテレビ・ラジオでおなじみのパーソナリティーで,書道家でもある矢野きよ実様をお迎えした。大須の洋服屋で生まれ,港区で育ち,子供の時は段ボールの中で遊び,ばーちゃん子で育った。そのばーちゃんからは「前に生まれた人,後に生まれた人がいて,逆さするな(先に死ぬな)」,「戦争や殺し合いをする,そんなバカなことは認めるでない。」等という言葉で人間の生と死について特別な思いを持って育てられた。その育ちからの想いと書道家であることを生かし,現在は東日本大震災の震災場所へ出向き,ボランティア活動を行っている。人々の想いを書にすることで,言葉を発することに怯えてしまっている人々とコミニケーションを取ることができ,心から通じ合えるようになり,人々の心の支えとなる活動しているという。「生きている,生きて生きたい君のために」「無敵」「想」「忘れない」等々,震災によって心の傷を負った方々の思いを書にすることで,多くの人々にメッセージを伝えている。今回,私達も直接その書を何枚も何枚も見せていただき,被災地の人々の思い,叫びが心に直接響き自然と涙してしまった。これほどまでに感動的で人の心を動かす講演を東京歯科大学同窓会で聞けたことは,これからの歯科医師に求められる同窓会として,過去から未来へと継承していく目的に通づるものがあるように感じた。
 最後に懇親会が同会場にて行われ,来賓として愛知県歯科医師会会長の渡邉正臣会長にご出席戴いた。93歳になられた橋本京一先生の乾杯で始まり,最後は小関健司理事の指揮の下,平成卒の会員が壇上に上がり,全員で校歌斉唱にて閉会となった。

(平成9年卒・井上 敬介 記)