平成27年度の群馬県同窓会総会・学術講演会は,7月11日(土)に群馬が誇る名湯の一つである伊香保温の中でも老舗旅館として有名な「岸権旅館」でおこなわれた。
一昨日までは,天候も悪く標高の高い伊香保では朝晩に暖房器具が必要なくらい冷え込む日が続いていたが,総会当日は熱い群馬県同窓会に呼応するかのように雲ひとつない澄み切った空でこの夏一番の暑い日となった。
物故会員に対しての黙祷の後,総会が行われ平成26年度の事業報告ならびに一般会計収支決算等が議決された。議事終了後,引田会長からの提案により平成28年度の関東ブロックの主管であることから出席した会員の方々と,「群馬のおもてなし」についての意見交換が行われた。
講演会は,東京歯科大学特任教授の石上恵一先生をお招きして「スポーツパフォーマンスに咬合の関与はあるのか?」という演題でお話していただいた。他大学にはまねの出来ないフィールドワークから得られたデータと,それに裏付けされたお話を参加した会員の方々はみんな非常に興味深く聞き入っていた。歯科の可能性を非常に感じさせた講演内容であったが,その一方で関係者の無知からマウスガードの装着によってプロゴルフで失格者が出た事からも,選手への装着の際には十分にルール等に配慮し指導に気を付けて欲しいというお話もあった。またこの分野の研究では,日本がおそらく最先端に位置しており,JOC(日本オリンピック委員会)の強化スタッフでもある石上教授のお話は,今後オリンピックでの日本のメダル獲得に向けての取組みに関してシークレットの部分もあるので講演から得た情報は慎重に取り扱っていただきたいと,座長を務めた先生からの注意喚起があった。
また夜は,老舗旅館の美味しい料理と地酒による懇親会。そして伊香保温泉の茶褐色の名湯を堪能し,非常に有意義で楽しい一日を過ごして,その日は終わった。
翌日炎天下で行われたゴルフで,前日の講演が活かされたかどうかは定かではないが,熱中症で運ばれたという情報は届いていないので,参加者全員が無事に帰宅したのは確かであったと思う。
(片野 勝司 記)