副会長
財部正治
(東京歯科大学同窓会会報 平成27年6月号/第400号より)
昨年末に新しい同窓会名簿が5年ぶりに発刊された。これまでの名簿と体裁を変えたところもあり,使い慣れるには多少時間がかかるかもしれないが,種々の工夫が凝らされているのでご理解いただきたい。
新しい試みとして,会員ごとに所属支部を掲載した。卒後5年間は新進会員として支部加入は必ずしも必要ないが,5年目以降は基本的には支部加入が必要となっている。にもかかわらず卒後10年,20年経過した会員のところでも,所属支部の空欄が目立つ。支部未入会の増加が裏付けられている。
研修医を終了し,または大学から離れて,勤務医を経験しているときに同窓会との繋がりが希薄になってしまう場合がある。病院や診療室の形態が多様化し,若手の勤務医が増加しており,支部未入会に繋がっているものと思われる。また地元に帰って所謂地域医療を担うことになっても,ご両親など別に院長がおられる場合には支部加入の機会を逸してしまうことがある。自ら開設者となり,その時支部入会することは一つの切っ掛けとなると思われるが,ただその年齢がだんだん遅くなり,またご夫婦で開業されている場合は,どちらかお一人が未入会のことも多い。
新名簿には「支部別会員名簿」を盛り込んだ。このページを見ると,各支部の特徴を垣間見ることができる。会員の人数が減少傾向にありながら会員相互の努力で運営を維持している支部,会員数は多いが未入会会員数が多くその対策に悩む支部,ある年代層が極端に少ない支部,若い年代がいない支部など,それぞれの支部特有の問題を抱えているものと思われる。これら会員問題は,それぞれの実情に応じた対応策が必要であり,同窓会本部ではきめ細やかな情報収集が不可欠である。
毎年一度開催される評議員会の評議員は,今年度の評議員会の承認を得られれば,各地域支部連合会単位に会員数100名につき1名の評議員が選出されることとなる。これにより,評議員を持たない県支部が生ずることとなり,支部が持つ独特の問題を把握することが難かしくなる恐れがある。そこで,合わせて「都道府県代表者会」が創設されることとなった。これも本年度の評議員会の承認が前提となるが,認められれば支部の大きさにかかわらず,各都道府県から各1名の代表者に参集いただき,各支部と本部の連携を図ることとなる。
これまで本部に寄せられるご意見の中に「夫婦なので名簿や会報などはひとつにして,その分会費を下げられないか」というものがある。これに対し,配布物を一つにすることは申し出いただければすぐにでも可能,ただそれによって会費を下げることはできない,との方針を示してきた。しかしながら会員種別を設けることが支部加入対策に繋がるならば,検討を要することでもある。ただ他方,同じ同窓生を区別することは不自然との意見もあり,今後の議論が待たれる。
支部加入促進対策は同窓会の最優先課題である。各支部の状況を分析し,本部と連携を図りながら,きめ細やかな対策を実施するために,都道府県代表者会がその目的にも大いに活用されることを願っている。