愛知県支部/平成26年度学術講演会

 平成26年7月13日(日),愛知県歯科医師会館にて平成26年度東京歯科大学愛知県同窓会学術講演会が開催された。出席者は40名を超え,そのうち他大学より5名の先生にも参加いただき有意義な学術講演会となった。

 我が国では高齢化に伴い悪性新生物を始め循環器系の疾患など,全身疾患を有した患者さんが増加しており,私どもの日常の歯科診療においても,様々な注意が必要となってきている。そこで今回は,昨年朝日大学歯学部総合医科学講座麻酔学分野教授として赴任された,昭和59年卒業の櫻井 学先生に,「歯科治療中の全身管理-保有する全身疾患を考慮した歯科診療-」をテーマとした学術講演会をお願いした。講師の櫻井学先生は昭和59年に東京歯科大学を卒業した後,同大学院歯学研究科(歯科麻酔学専攻)から歯科麻酔学講座の講師,准教授を経て平成25年4月に朝日大学歯学部総合医科学講座麻酔学分野の教授に就任された。講演では近年超高齢化が進んでいる中,臨床の現場においても複数の基礎疾患を保有する患者が増えてきており,さらに歯周外科手術,インプラント手術など比較的侵襲の大きな外科的手術も広く行われ,精神的にもストレスが多く与える内容が増えてきているため,基礎疾患を保有する患者に対して,その全身疾患やその評価,またその歯科治療中の管理法や,起こりうる偶発症の種類と診断治療法について学ぶことができた。歯科医師会では8020運動の提唱の効果もあり,歯科を受診する機会も増加しており,基礎疾患を有する患者もそうでない患者も歯科を受診する機会が増加してきているため,基礎疾患に対する変化にいち早く気づけるのも歯科医師であり,さらにはそれらの基礎疾患の兆候にいち早く気づいて対応することができる役割も歯科医師に求められる時代になってきているように感じた。このことは,地域社会の中での歯科の役割の重要さをさらに感じることとなった。

 最後に恒例となっている懇親会を,アパホテル錦の会場に移し行われた。今年に入り未入会で若手の先生も同窓会に興味を持ち参加するようになって来ているなか,今回も平成19年卒の小林充先生が参加し,様々な情報交換がなされ,有意義な懇親会となった。

(井上 敬介 記)