会長
矢﨑秀昭
(東京歯科大学同窓会会報 平成25年12月号/第394号より)
東京歯科大学は長い歴史の地である水道橋に移転してまいりました。時を同じくして2020年の東京オリンピックの招致も決定し,長らく低迷しております日本社会も,新たな目標に向かって動きが始まるこの時期に母校が東京へ移転したことは,未来への明るい希望を感じさせることです。誠に多くの同窓の皆さまからの貴重なるご寄付を賜り,新校舎の中に完成された血脇ホールにて平成25年度の評議員会が開催されました。この記念すべき評議員会におきまして次期も同窓会会長をとの推薦をうけ,その責任の重さに身が引き締まる思いがしております。
この2年間,名誉会長の大山先生の後を受けて,全国の同窓会員の皆さま,支部長はじめ役員の方々,さらに事務局のご支援により会務を執行出来ました事に心から感謝致しております。
新校舎の建設に対して,多くの同窓の皆さまからの心からなるご支援を賜わり,衷心より厚く御礼申し上げます。しかしながら当初に目標としておりました額に達していないことと,今後,大学は水道橋に更なる病院機能や研究施設の充実を図るために,本校舎(水道橋病院)の裏手に新たな施設の建設の必要に迫られております。この様な事から現在,お願いしております母校への寄付の募集期間を26年3月まで延長して,お願い申し上げることとなりました。今後とも東歯大が歯科大学の雄として輝き続けるために,同窓の皆さまの母校へのご支援・ご協力を心から宜しくお願い申し上げます。
今日,同窓会さらに歯科医師会にとりまして,最大の課題は若手の会員の方との連携です。現在,同窓会各支部や歯科医師会に加入している若手の方の割合が極端に少なくなっております。
日本の医療制度の中で,国民の歯科医療を充実するためには,歯科医師が団結して,強く社会にアピールして行くことが不可欠であることを若手の皆さまに,是非,自覚して戴くことを願っています。
原則として同窓会会員は全国にある同窓会支部に所属して戴くこととなっておりますが,卒業後5年間は新進会員として同窓会本部に直接所属することとなっています。この間の会費の減額を図るとともに,若手会員への各種研修会,セミナーの開催,学年会への開催の支援など,連携が図れるよう同窓会は種々の企画を行っております。
また大学との連携のもと,学生時代から同窓会の準会員として,歯学体や大学祭,県人会への支援などを行っております。
また,さらに将来の支部の活性化のために,学生の帰省先の支部と,学生さんやそのご父兄との懇親を図る試みも考えております。
2年後の27年11月には同窓会創立120周年を迎えることとなりました。テーマとして「同窓会創立120周年 医はこれ済生ひとへに仁なり 伝統そして未来への飛躍」と決定いたしました。
東京歯科大学を創設した高山紀齋先生,血脇守之助先生など明治の先人の方々は強い向学心と「歯科医師は学識を高めることにより人々を幸せにでき,さらに人々の尊敬を得ることができる」との信念を持って歯科教育に邁進されておられました。ともに助け合い高めあってゆく血脇イズムを次世代に継承することを願っております。今後とも更なるご支援を心よりお願い申し上げます。