自動車部OB会/第12回「轍会」東日本大震災気仙沼ミーティング

 自動車部OB会では,毎年会員や現役部員との親睦のため1泊2日で,現役部員数名を招待しミーティングを行っています。地方にいる会員の先生のお世話で,1泊旅行であったり,稲毛の自動車部のガレージを見学した後,近くの南千葉サーキットでの現役とOBの交流であったりと毎年いろいろな企画の下にミーティングを行っています。

 今回は,東日本大震災で被害の大きかった東北地方の会員の方々,福島県喜多方市の北見千穂先生(昭和40年卒),宮城県仙台市の千葉正胤先生(昭和44年卒),懸田明弘先生(平成元年卒)のお見舞いと,一日も早い復興を祈念し,宮城県の鳴子温泉にて,紅葉も見ごろの平成23年11月5,6日に行われました。

 参加者は最年長の臼井久雄先生,前会長の大岡紀一郎先生,現会長の浦井照彦先生をはじめ15名でした。林量一先生は例年通り茅ヶ崎から輪行で参加されました。また一番の遠方からの参加は,愛知県岡崎市の奥平紳一郎先生夫妻で,レストアなったばかりの初代スバルアルシオーネで740kmのグランドツーリングで駆けつけてくれました。

 1日目の鳴子温泉での宴会では,千葉正胤先生からお見舞いのお礼の挨拶があり,当時の状況や教訓などの貴重な体験談が披露されました。また参加者全員に当時の模様が映されたDVDが配布されました。在学中に千葉先生と同じ釜の飯を食べた先生方は,無事に再会できた事を大変喜んでいらっしゃるようで,部屋に戻ってからの,2次会も夜遅くまで続きました。例年とは異なった,「絆」を感じさせる宴会でした。

 また,翌日は会員の林量一先生の同級生の昭和48年卒の鈴木一雄先生のお世話で,気仙沼の視察を行う事が出来ました。会員の方からは,物見遊山のようで,如何なものか,との意見もありました。しかし,地元の鈴木先生からぜひ見ておいたほうがいいです,との提案を頂き視察が実現しました。

 気仙沼市内に入ってすぐには建物が特に倒壊した様子もなく普通の町のようでしたが,外路地の植木には幹はあるものの葉がなく,ことごとく枯れていたのが印象的でした。昼食でお邪魔した寿司屋の店内は何事もなかったかのように,きれいになっていましたが,壁には約1mのところに線があり,この線まで水に浸かったとご主人から説明がありました。

 昼食後には,気仙沼湾に面した被害の大きかった地域に行きました。あの3月11日の夜テレビで中継されていた,赤々と火事で燃えていた地域がここなんだと,感慨新たでした。コンクリートの建物は骨格だけがかろうじて残っていましたが,それ以外のところは何もなくなっていました。この地域はいまだに電気が通じていないらしく,交差点では警察官が手信号で交通整理をしていました。

 前日の鳴子温泉での紅葉狩り,次の日の気仙沼での津波による惨状を見ると,自然の雄大さと厳しさを改めて感じさせられた2日間でした。

 ご自身も被災したにも拘らず快くご案内して下さった,鈴木一雄先生には改めて御礼申し上げます。

 被災地の早期の復興と繁栄を心よりお祈り申し上げます。

参加者氏名(順不同)
臼井久雄(40年卒),大岡紀一郎(42年卒),浦井照彦(43年卒),千葉正胤(44年卒),実成誼(45年卒),角田正健(46年卒),山田英夫(46年卒),林量一(48年卒),奥平紳一郎(56年卒),鈴木潔(56年卒),真山敦(H23年卒),新野哲也(4年),小野瀬佑紀(3年),谷本雄輝(2年)敬称略

(昭和56年卒 鈴木 潔 記)