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巻頭言/より強い会員との連携と母校への支援

矢﨑秀昭 会長
会長
矢﨑 秀昭

(東京歯科大学同窓会会報 平成24年2月号/第385号より)

 昨年11月に開催されました評議員会におきまして,120年に及ぶ伝統のある東京歯科大学同窓会の会長に選出され,身の引き締まる思いがしております。

 前会長で名誉会長の大山先生はじめ前役員の皆さまにおかれましては,同窓会の機構改革や東日本大震災への対応など,誠に精力的に取り組まれ,多大な実績を上げておられます。さらに地域選出理事の方々におかれましては,同窓会の改革・運営について,各地域の立場から大変有意義な提言等をされておられ,これらの意見を十分に今後の会務に反映させて戴く所存です。 続きを読む

巻頭言/同窓会会長退任のご挨拶

大山萬夫 会長
会長
大山 萬夫

(東京歯科大学同窓会会報 平成23年12月号/第384号より)

 平成23年11月26日如水会館にて開催の平成23年度評議員会・第117回定時総会は滞りなく終了致しました事をご報告すると共に,今期会務にご協力を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。このたび私は機構変革の目処もつき会長職を若い方にお譲りするべく退任をお願い申しておりましたところ,今評議員会においてご承認を頂きました。尚「名誉会長」と云う大変立派な身に余る冠を頂き,恐縮の限りであります。在籍2期4ヶ年,至らぬ所多々でございましたが,終始皆々様より絶大なるご支援を賜りました事,ここにあらためて深く感謝申し上げます。後任の同窓会会長として現同窓会副会長矢﨑秀昭先生が満場一致でご推薦を受け,決定されました。ご案内の様に現在日本歯科医師会常務監事,東京歯科大学同窓会東京地域支部連合会会長,又東京歯科大学法人評議員・同臨床教授としてご活躍中の先生でございます。医政・学術共に練達の方で,又母校に対する情熱高く,素晴らしい方にバトンタッチ出来ました事に小生はもとより,同窓会としても大きな喜びであり,次への更なる発展が期待されます。大学は創立120周年記念式典を盛大裡に終り新理事長金子譲先生,新学長に井出吉信先生がそれぞれご就任され,目下移転事業達成へと活躍されておられます。今後新執行部も更なる力強い大学支援を致して頂けるものと確信し,皆様と共に応援せねばならないと存じます。 続きを読む

巻頭言/若いパワー

山本 英之 事業推進部常任理事
事業推進部常任理事
山本 英之

(東京歯科大学同窓会会報 平成23年10月号/第383号より)

 「変革と発展」を目指して邁進してきました大山執行部2期目は,早くも最終コーナーにさしかかって参りました。あと,残るは最後の直線,11月の評議員会において機構改革案をご承認頂けるかどうかというところまで来ました。

 事業改革については昨年度の評議員会で事業計画が一足早く承認され本年度からスタートしています。その中で今までの学術部は事業推進部(保険部と学術部が統合して保険委員会,学術委員会,大学・同窓連係委員会,シンクタンク委員会,若手研修委員会の5委員会として成り立っている)に取り込まれ,各委員は保険委員会以外の各委員会と学術委員会を兼ねて新たに活動をしています(保険部も同様)。 続きを読む

巻頭言/国民皆保険を崩す禁じ手 −窓口3割負担+定額負担−

島村 大 渉外部常任理事
渉外部常任理事
島村 大

(東京歯科大学同窓会会報 平成23年8月号/第382号より)

 厚労省は,社会保障と税に関する集中検討会議に外来患者の窓口負担に一定額を上乗せする定額負担を導入し,難病患者の自己負担軽減の財源にあてると提示した。この3割窓口負担プラス定額負担は,2002年の3割負担導入時の国会で,窓口負担は3割が限界とした厚労省の見解,立場を反故にするとともに,厚労省の理由のひとつの「長瀬指数」により3割窓口負担を超えると医療需要の5割を満たさない,つまり病人の半分も受診できなくなるとの政策判断を投げ捨てるものである。大震災の混乱に乗じ,国民皆保険制度の根幹を崩し,社会保障の機能弱体化をはかることに対しては如何なものかと思う。

 窓口3割負担は,2002年の医療改革で導入されたが,国会審議で厚労省よりこの窓口負担水準が限界と触れられ,法案成立後,当時の官房審議官は「患者負担引き上げのカードは全て使い切った」と講演で解説している。事実,健保法の附則に「将来にわたって患者負担は3割を限度とする」とあり国民と約束した。

巻頭言/同窓の絆

佐々木眞澄 総務・厚生部常任理事
総務・厚生部常任理事
佐々木 眞澄

(東京歯科大学同窓会会報 平成23年6月号/第381号より)

 東日本を襲った未曾有の巨大地震,津波,火災は,一瞬にして広大な地域を壊滅状態としました。その後の過酷な避難所生活,全てを失い呆然としている人々,被災地の状況に報道等で接する度に胸が痛くなります。それに加えて原発の事故,いくら想定外とはいえあまりに惨い状況です。この大災害で被災された会員の方々,ご家族,ご親族,ご友人等が被災された方々,また安否不明者の関係の方々に,心よりお見舞いを申し上げます。

 被災後,同窓会本部内には大山会長を中心とした対策部会を直ちに設けました。そして,日本歯科医師会をはじめとする関係諸団体等との協力,コンピューターによる「本部と支部との情報ネットワーク」の活用,また各地域選出理事,被災地支部長及び会員による情報収集等を通じて,被災された会員の情報収集・提供に努めております。

 また同窓会ホームページには「災害情報用掲示板」を設けました。そして3月19日には同窓会ホームページへの1日のアクセス人数が過去最高の2,910人に達しました。 続きを読む

巻頭言/同窓会の機構改革

中西国人 事業推進部常任理事
事業推進部常任理事
中西 国人

(東京歯科大学同窓会会報 平成23年2月号/第380号より)

 昨年は,東京歯科大学創立120周年の年にあたり,大学と同窓会が協調して記念事業等に取り組んで成功を収めました。

 また,記念事業の一環として大学の水道橋への移転というプロジェクトが進められております。来年(平成24年)には,「さいかち坂校舎」で1・2年生の授業が始まるという事で,もう目の前まで来ている現実でございます。

 同窓会といたしましても,大学が行なっております「血脇記念ホール」および「東京歯科大学ミュージアム」(仮称)の設備・建築費という目的の為の「ご寄付のお願い」に対して先般,皆様へご協力のお願いを致しました。ここに改めて,我々の原点である母校を物心両面で支える為にご協力の程を,よろしくお願いいたします。 続きを読む

巻頭言/「同窓会」・「若い人」・「社会性」

髙橋義一専務
専務理事
髙橋 義一

(東京歯科大学同窓会会報 平成22年12月号/第379号より)

 同窓会改革では若手支援を謳っている。その一つの事業として若手同窓支援セミナーがあり,先日開催された。若い先生が臨床でトラブルにあわないように,そして明日の臨床に役立つよう,医事処理,保険を切り口にしながらBS製剤や下歯槽神経麻痺について学術的な話をすすめるという新企画で高い評価を得たとのことである。さて,話はもどるが,この研修会を我が支部の若手に紹介しようとした。しかし気がつくと卒後5年,卒後10年の若者は支部にはいなかったのである。今年から始まった本部ー支部間の情報ネットで行われたアンケート結果でも,確かに“若い人が少なく,高齢化で活動に苦労する”という声が多かった。どうも「同窓会」と「若い人」のリンクが薄くなりつつあるのかもしれない。 続きを読む

巻頭言/組織力づくりは人づくり

梅村長生副会長
副会長
梅村 長生

(東京歯科大学同窓会会報 平成22年10月号/第378号より)

 ハーバード大学サンデル教授の正義を巡る講義や著書が話題沸騰となっている。1980年代から世界はIT化によるグローバリズムの進展に伴い,個人主義,市場主義,実力主義的考え方が蔓延していった。この風潮は,社会保障・医療制度の政策に色濃く反映され,その中で日歯や同窓会もこれらの主義に巻き込まれ,不幸な事件となった。これらが,金融崩壊を招いたことで改めて人びとが,「人生を生きる価値あるものにするには,どう生きるべきか」を問い始めたことが,サンデル教授の提起への白熱した議論となっているに違いない。

 では,時代の流れの速い,構造転換の進む社会の中にあって,「同窓会とは何か」,この問いに執行部は真剣に向き合っている。

 しかし,リベタリアンが多い若い人に対して,個人の自由と共同体の利益という対立する軸を「よりよい同窓会」を作るという理想だけで理解を得られるかは疑問である。したがって,同窓会改革検討特別委員会は,改革に向けて組織強化,大学との連携強化,事業改革,若手対策,機構改革など多面的な改革案を提言した。その内容は傾聴に値するものばかりである。 続きを読む

巻頭言/ライトサイジングへ

宮地建夫副会長
副会長
宮地 建夫

(東京歯科大学同窓会会報 平成22年8月号/第377号より)

 今年5月,ギリシャが財政危機に陥った。次いでオランダとスペインの財政危機も懸念され,事実,その後二つの国の国債の格下げが現実になった。しかし当のオランダやスペインの国民は,昔の生活との比較や経済状態の実感からか財政破綻の切迫感は薄いという。

 ギリシャの労働者は,国の危機をよそに賃金や年金の権利を主張し,大規模なストを行い皮肉にもそれがギリシャという国の信用を落とすことにもなってしまった。権利の主張や既存の生活保全の意識は分からないではない。だが,時の流れと反する権利の主張は,自らが建つ土台ごとの崩壊につながるという構図は遠くからのほうがよく見える。 続きを読む

巻頭言/減少化社会への対応

矢﨑秀昭副会長
副会長
矢﨑 秀昭

(東京歯科大学同窓会会報 平成22年6月号/第376号より)

 東京歯科大学創立120周年の記念事業は母校の社会における存在感をさらに強くし、大変有意義でありました。さらに水道橋への大学の移転は内外から多くの関心を集めております。この大事業が成功し、さらに東京歯科大学が未来にわたって発展することを同窓として強く願っております。

 現在の日本の社会は歴史上ほとんど経験したことない、多方面において縮小する方向に向かっています。その根源は人口減少であり、それも急激に進行しております。今日までの日本の繁栄と、世界での存在感は高度経済成長を基盤としていました。しかしながら今後は、あらゆる方面に置いて日本社会は年々減少、縮小してゆくものと思われます。しかしながら一般的日本人において、今までのような成長し続ける認識を、一気に変更することは誠に難しいことと思われます。ただし例外として、他地区からの流入があり、東京都はここ10年間で約100万人の人口が増加しています。今後とも、人口と社会的機能の集中が加速してゆくものと思われます。 続きを読む