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巻頭言/事業推進部 社会保障制度研究委員会 更なる努力と活動を目標に!

事業推進部常任理事 中川杉生
事業推進部常任理事
中川杉生

(東京歯科大学同窓会会報 平成30年12月号/第414号より)

 平成28年に事業推進部社会保障制度研究委員会の担当常任理事を仰せつかり,第4期矢﨑執行部(30年度発足)に於いても続投をさせていただいております,昭和44年卒の中川杉生です,よろしくお願いいたします。この委員会の前身は保険部保険委員会で,実動部隊として,1.保険改定に関する小冊子の作成 2.同窓会報に保険のトピックスの掲載 3.全国社会保険指導者研修会(社指)終了後に全国の東京歯科大学同窓の保険関係者を一堂に会し,意見交換会・懇親会開催等を行って参りましたが,前任担当常任理事からの引き継ぎで,1についてはカルテ書き方的要素(カルテ記載は1番大事な事なのですが人気がない)が強く,また都道府県により解釈に開きがあり要領よく纏めるのに苦慮する,費用がかかる割には認知度が低い等,の理由により方向転換せざるを得なかった。2については,改定時はよいが,全国共通の増点につながる話題を見つけるのが難しい。3についても都道府県により差異があり,共通の情報の共有が難しかった(同窓会員へのフィードバックが難しかった)などの理由と,診療報酬改定に携わることの出来る人材,診療報酬改定に携われる知識をもつ人材の育成等の考え方から,平成27年度より「社会保障制度研究委員会」へと転換が図られ,結成当時は,委員5名,協力委員12名で活動しておりました。
 社会保障制度は,「社会保険」,「社会福祉」,「公的扶助」,「保健医療・公衆衛生」を総称したもので,大変範囲が広く,テーマ探しに苦慮するところです。そこで我々に直接結びつく「社会保険」の中の「医療保険制度」を中心に社会保障を考えることといたしました。幸いにも,東京歯科大学には社会歯科学,歯科社会保障学,歯科医療管理学等々に在籍されておられる先生方や先輩諸氏に貴重な意見やご示唆を頂ける環境に恵まれていますので,将来に向かって進んで行けたらと思っております。
 しかし,収支予算を見てみますと約10年前は1億円を超えていました会費収入予算額が,平成31年度は8千万円台と減少しております。従って,事業予算縮小の中,社会保障制度研究委員会の予算も縮小せざるを得ない状態で,早速担当副会長,5名の委員と担当の私とで内容を縮小して活動しております。内容は,社会保障に関する情報の収集および発信,会員向け講演会のテーマを委員の見識を深めつつ決めてゆく,年6回の委員会,1回の社会保障に関する講演会(どうしても東京での開催になってしまいますが),また支部長先生方等へは保険改定情報等を(専務経由で)ネット配信をしております。そして色々な情報を皆様に発信できるように努力して参りたいと思います。
 最後になりますが,卒業してくる若い会員となる先生方が社会保障制度等に興味を持ち,ひいては厚生労働省等々に入省したいとする人材が育ってきてくれることを期待し,また,今後とも社会保障制度研究委員会の活動等に対してご理解,ご協力をお願い申し上げます。

巻頭言/若手・女性会員の 更なる飛躍を願って

総務・厚生部常任理事 岡村美恵子
総務・厚生部常任理事
岡村美恵子

(東京歯科大学同窓会会報 平成30年10月号/第413号より)

 平素より会員の皆様には同窓会の活動にご理解を賜り,厚く御礼申し上げます。
 平成30年1月から総務・厚生部「女性会員活動推進委員会」の担当を仰せつかりました。会報6月号巻頭言にて担当副会長 鈴木千枝子先生が委員会の概要についてお話してくださいましたが,矢﨑会長の下,近年各支部において対処が検討課題となっている若手・女性会員の支部加入促進について,6名の委員で協議を重ねています。卒業してからの数年間,資格は取得したが,「今後の目標は?」と聞かれれば明確な答えを持つ若手歯科医師は少ないのではないでしょうか。勉強しながら,勤務医を続けるか?新たに開業を目指すか?女性歯科医師においてはそこに更に結婚・出産・子育て…と様々なライフステージの波が追いかけてきます。しかし,6年間必死に勉強して取得した資格です。どんな場面においても是非活かしてほしいと考えます。
 国の政策の中に「…生涯を通じた歯科健診の充実,入院患者や要介護者をはじめとする国民に対する口腔機能管理の推進,地域における医科歯科連携の構築など歯科保健医療の充実に取り組む…」とあります。生涯にわたって一人の患者さんと向き合っていくこと,地域医療にきちんとした形で貢献していくことは容易なことではありません。一人の歯科医師が診療でふと立ち止まった時,同じ教育方針の下で学んだ同年代の仲間の声や,地域で活躍している諸先輩方のアドバイスは計り知れない力を与えてくれ,確実に診療の幅を広げてくれます。
 同窓会本部では学術委員会やその他の委員会で多数の講演会などが開催され,各支部では総会や新年会,ゴルフ大会などで親睦を,学術講演会,若手同窓生対象の勉強会などで歯科医療・医療保険などに関して研鑽を積めるよう企画がたてられています。是非,様々なイベントに参加し,色々な年代の先生方と話をしてほしい。時には経営やスタッフとの人間関係,さらには趣味の話などなど。折しも医学部入試の女子学生への対応が話題になっている昨今,若手・女性の歯科医師の働き方についても意見をかわすよい機会になるのではないでしょうか?様々なライフステージをクリアして活躍している諸先輩方の声を若手・女性歯科医師に届けたい。また私達卒後数十年を経ている開業医も若い先生方の声を聞いてみたいと思っています。大学の協力をいただきながら,準会員(学生)の頃から同窓会を身近に感じてもらい,若手同窓生,ベテランの先生方とのネットワークをもっと密に築いていくには?
 平成30年11月3日(土・祝)「女性会員活動推進委員会 情報交換会」を開催します。全国の各支部から寄せられた様々なご意見を「女性会員活動推進委員会 支部担当」の先生方と懇談する予定です。また,来年の10月6日(日)(予定)には宝田恭子先生(S55卒)をお招きして講演会を開催いたします。多数の先生方のご参加をお待ちしております。
 これから歯科医師として活躍していく若手・女性会員が,ますます飛躍し輝いていけるよう,任期の間,様々な企画を考えていきたいと思っています。今後とも同窓会の事業にご理解とご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。

巻頭言/若手会員,女性会員の更なる参画

副会長 鈴木千枝子
副会長
鈴木千枝子

(東京歯科大学同窓会会報 平成30年6月号/第412号より)

 日頃より同窓会の活動にご支援を頂き心より感謝申し上げます。
 本年1月矢﨑執行部4期目にあたり,新進会員,女性会員活動推進事業担当副会長を仰せつかりました。父兄会,女性歯科医師の会に関わってきた経験を今後の活動に活かせるよう努める所存でございます。
 今期同窓会の目標の一つに,若手会員・女性会員が参加しやすい組織を充実するということがあります。卒業後5年までの会員を新進会員とし,各学年2名の実行委員を中心に日ごろの疑問を解決する一助となるよう自らが企画,運営する「新進会員のつどい」は今年で第6回となります。開催するにあたりテーマを決め,講師の依頼,懇親会の手配,スケジュールの管理等を協力委員,担当理事の支援のもとで進められています。これらの交流を体験することで5年終了後にも同窓会への加入につながることを目標にしています。委員会のコミュニケーションはSNS(LINE)で繋がり,活発な意見交換がなされています。FAXを知らない,メールをも使わない世代のやり取りを私達担当役員は温かく見守っております。今年も11月3日(土)文化の日に「新進会員のつどい」が開催されます。懇親会ではミニクラス会となり,卒後5年の間に若手会員にはぜひ体験していただきたく,皆様お誘いの上ご参加くださいますようお願い申し上げます。
 女性会員の支部加入については,在校生の男女比がほぼ同数という状況から,今後増加を図る上でも重要な検討課題となっております。歯科医師いう職業には男女の差がないとはいえ,女性のライフステージ,ライフイベントを考える上で「女性会員活動推進委員会」の中での協議は必要であると考えます。委員会のメンバーは新進会員の委員から引き続いての若手から40代,50代,60代の女性会員と昨年までの活動経緯を知る男性会員との混合チームから構成されています。各大学同窓会にもそれぞれ女子会はありますが,東京歯科大学同窓会の女性会員に必要な活動,支援は何なのか,委員会では熱い議論がなされています。多くの方々が同窓会に参加していただけるように,魅力ある提案を発信していく所存でございます。つきましては11月3日に開催される「新進会員のつどい」と同日に女性会員活動推進委員会の今後の方向性について情報交換を行う予定でおります。女性歯科医師のライフスタイルは10人いれば10通りの生き方があり,世代を越えて集まることでお互いに刺激しあえ,さらにパワーアップできると思います。共に寄り添い,一歩踏み出せるきっかけに同窓会の事業が関われることを願ってやみません。
 毎年多くの歯科医師を生み出す母校との連携を密にして,同窓会としての組織の充実を図る上での特効薬はありませんが,会員の皆様のご支援は大きな力となります。今後とも引き続きご協力の程よろしくお願い申し上げます。

巻頭言/伝統ある同窓会の 更なる飛躍を目指して

会長 矢﨑秀昭
会長
矢﨑秀昭

(東京歯科大学同窓会会報 平成30年2月号/第411号より)

 大学の創立120周年記念事業として開始されました水道橋への移転事業により新たに創設されました「さいかち坂校舎」に新入生として入学された学生も本年3月に卒業し,新たに同窓会会員となります。これにより同窓会員も旧水道橋校舎,千葉校舎,そして新たなる水道橋校舎で学んだ方と,三世代により構成されることとなります。
 この大学の移転事業に際して同窓の皆様には血脇ホール建設,さらに水道橋本館西側に建設されました西棟の臨床研修施設等への支援を賜り誠に有難うございました。
 昨年7月に大学として永く感謝の意思を伝えるために,ご寄付を賜った方のお名前を刻んだ名盤を西棟に掲げました。昨年4月に水道橋に新設されました東京歯科大学短期大学歯科衛生学科も同窓の皆様のご支援もあり,大変順調に運営されています。しかしながら,千葉病院や校舎のことなど,大学として今後とも取り組むべき多くの課題があります。引き続き東京歯科大学が日本一の歯科大学とし発展し続けるよう,同窓会員の皆様の絶大なるご支援をお願い申し上げます。
 昨年11月の同窓会評議員会において,本学の建学者である血脇守之助先生により「歯科医師は生涯にわたる研鑽と,共に助け合い,人間性を高める」ことを目指して創設された,120年以上の伝統と実績を誇る本学同窓会の会長を多くの方々のご推薦を賜り,引き続きお受けすることとなりました。私としては4期目となりますが,現在,日本の歯科界を取り巻く大変厳しい環境と同様に多くの課題があります,本学同窓会が未来に向かって更なる発展を期待できる組織となるよう出来る限りの努力をしてゆく所存です。
 今期執行部の目標である①若手会員・女性会員がより参画しやすい組織の構築 ②各支部への会員の加入促進と支部活動の充実 ③会員による大学への支援と母校・学生との連携 ④新たなる情報手段の活用などによるより充実した会員との情報の共有 ⑤多方面で活躍する人材の育成 ⑥財政基盤の強化,に全力で取り組む所存です。
 最近の歯科大学の特徴として特に女子学生の急増が目立ってきています。日本における女性の社会進出,さらに若手人口の減少傾向も関係しているとも思われます。
 同窓会として,このような著しい社会状況の変化に対応するため,今回初めて女性の方に副会長にご就任頂き,さらに常任理事にも3名の女性の会員になって頂いております。このように年々変化する会員の情勢に対応できる,より広い行動範囲のある同窓会の構築を目指してゆこうと思っています。
 同窓会の活動の原点は,全国各支部による多方面にわたる活発な組織活動にかかっています。現在,全国のすべての地域におきまして最大の課題は,同窓会支部会員数の減少傾向に歯止めが中々かからないことです。ここ数年,東京歯科大学は教職員の方々,学生の皆様の大変な頑張りで,現状において合格することが大変困難となっている,歯科医師国家試験を見事に乗り越え,毎年,日本一多くの歯科医師を誕生させています。
 それにも関わらず,支部会員の減少傾向が続いていることは,若手の会員が各支部に入会していない現実です。学生時代から歯科医師として生涯にわたっての同窓会の存在意義をアピールする取り組みと共に,各支部での加入促進の活動を今後ともお願い申し上げます。
 現在,会員は診療所を開業することだけでなく,病院や診療所への勤務,さらにご家庭に入るなど,多様な環境となっています。より多くの同窓と同窓会との連携が構築されるよう,最大限の努力をして行きますので,更なるご支援を宜しくお願い申し上げます。

巻頭言/本年度の同窓会事業へのご協力に厚く御礼申し上げます

会長 矢﨑秀昭
会長
矢﨑秀昭

(東京歯科大学同窓会会報 平成29年12月号/第410号より)

 平成28年1月に発足しました現執行部も本年12月末までとなりました。平成28年度・29年度の執行部の発足にあたり同窓会運営の重点項目として,会員との連携強化,情報ネットワークなどを活用した会員への情報の提供,大学との協力体制の強化,アカデミア構想による人材の育成,会員の支部加入促進と財政基盤の強化の5項目を掲げました。
 このうち特に若手の会員との連携につきましては,本年度も卒業5年目までの会員自身により企画,運営による新進会員の会を開催いたしました。さらに大学の協力のもと学生を同窓会の準会員として,学生時代や,さらに卒業時や研修医の終了時などに,歯科医師としての人生において同窓会が果たしている役割や,各種事業,各地域における同窓会支部の具体的な活動などについて紹介をしています。
 会員への情報提供については,ホームページをできるだけ早期に更新し,常に新しい同窓会の活動や予定などについてお知らせしています。最近の在校生のご父兄は母校の同窓生だけでなく,他大学の出身の方々が著しく増加しています。本年8月に大学の協力のもと,大学広報を保護者の方に配布する際に,平成29年2月号と6月号の同窓会会報を同封して戴き,全保護者の方に配布いたしました。保護者の方からは,将来ご子弟が入会する同窓会の組織の活動について知り,さらに地元における同窓会支部の状況などを知ることができ,将来について安心感を持つことが出来たとの反応もありました。
 大学の創立120周年の記念事業の大学の水道橋移転は,昨年4月の西棟の建設,本年4月の短期大学歯科衛生学科の開校により一段落を迎えることが出来ました。血脇ホールの建設,さらにこの西棟の建設に関しましては,同窓の皆様には大学へのご寄付をお願いし,絶大なるご支援を賜り心から厚く御礼申し上げます。本年10月号の会報に掲載されていますように,大学として長く感謝の気持ちを表すため,ご寄付を賜った会員のお名前を刻んだ銘板を西棟に掲示いたしました。現在,大学は今後とも臨床研修施設や学生の厚生施設の充実を図ってゆく必要があります。平成30年3月まで大学への寄付を継続してお願いしておりますので,ご支援賜りますようお願い申し上げます。
 同窓会の学術部におきましては,アカデミア構想による若手の会員の人材育成に努めております。毎週のように同窓会におきまして,夕方に症例発表を中心とした勉強会を開催しております。ここで育った多くの人材が同窓会の学術委員として,さらに各地域において,地域医療の担い手として活躍しだしておられます。
 現在,日本歯科医師会には役員として5名の東歯同窓がおられ,また都道府県の会長として5名の同窓が活躍されておられます。
 また,日本学校歯科医会会長の川本 強先生,日歯連盟副理事長の冨山雅史先生はじめ多くの同窓が,現在,全国の歯科関連組織で中心的役割を担っています。
 さらに,衆議院議員として千葉県の白須賀貴樹議員,参議院議員として神奈川県の島村 大議員が同窓の国政議員としておられ,日本における歯科医療の充実に向けて日夜努力されておられます。
 同窓会としてはこれらの方々に続き,将来の日本の歯科界を担う若手の人材の育成を各地域支部と連携して,さらに進めてゆこうと思っています。継続可能な共済制度の改革や各種事業の合理化などにより同窓会の財政基盤の強化に取り組んでいます。それには各支部の皆様の絶大なるご支援が何より大切となります。今後とも同窓会への皆様の更なるご支援を宜しくお願い申し上げます。

巻頭言/同窓会名簿の発行と利用

総務・厚生部常任理事 高橋潤一
総務・厚生部常任理事
高橋潤一

(東京歯科大学同窓会会報 平成29年10月号/第409号より)

 平成28年1月より,総務・厚生部情報管理/新進会員担当常任理事を仰せつかりました,平成4年卒の髙橋と申します。日頃より,会員の皆様には同窓会事業へのご協力をいただき,厚く御礼申し上げます。
 同窓会の大切な事業の1つに,同窓会名簿の発行があります。発行は5年に一度となっており,次回は平成31年(2019年)を予定しております。同窓会では,会員各位あるいは支部担当者のご協力の下,常に会員の就業地・住所等につきましては情報収集しております。さらに,名簿発行の前年度には,全員にアンケートをお願いして,正確な情報を掲載する予定です。
 近年,IT化された社会において,様々な物・情報がデジタル化され便利になっています。もし,同窓会名簿がデジタル化されたらどうでしょうか。CD-ROM やUSB メモリーで配付されると,皆様はご自身のPC 等で閲覧し,住所や名前を検索することができるかもしれません。タブレット端末にインストールして送付することもできます。あるいは,ホームページから直接検索できるようになれば,瞬時に同級生に連絡を取ることができるでしょう。そうなると,掲載するデータには,e-mail アドレス等も含めた方がよいかもしれません。このように利便性が上がり,ペーパーレスが進めば,エコにも一役買うことになります。
 一方,デメリットも伴います。小さなUSBメモリーは,紛失・盗難のリスクも高まります。CDには常に破損のリスクがあります。最近のPCは,CDドライブが付いていない物も多くなり,テクノロジーが進化するとデータが閲覧できなくなる可能性があります。ホームページへの掲載には,多額の費用をかけてセキュリティをしっかりしないと,同窓会のサーバーがハッキングの被害に遭うかもしれません。ログインしたPC 経由で情報漏洩することも考えられるので,利用する方にも高い情報リテラシーが求められます。そして,万が一の時には,莫大な損害を被ることも考えられます。ちょっと恐いですね…。
 配送された分厚い同窓会名簿を手にとって,ぱらぱらとページをめくりながら若い頃の思い出にひたり,「あの先輩は元気かな?」「彼は開業したんだ!」と思いをはせるのも,同窓会名簿の楽しみです。分厚い同窓会名簿の重みを感じることは,先輩が築いた歴史の重みを感じることでもあります。また,書棚にあれば,すぐに見ることができます。言うまでもありませんが,「本」というアナログ紙媒体における独特の魅力です。
 社会の変化の中で,同窓会名簿も曲がり角を迎えているのかもしれません。会員の皆様のご意見をお聞きしながら,同窓会名簿を作製していきます。なお,住所や就業地等,記載事項の変更の際には,速やかにお知らせ願います。

巻頭言/共済制度のこれから

副会長 財部正治
副会長
財部正治

(東京歯科大学同窓会会報 平成29年6月号/第408号より)

 熊本大震災から1年が経過し,熊本を訪問して熊本県支部の会員の皆様と懇談する機会を得た。熊本城の惨状は報道で知らされてはいたが,実際に目にして改めて被害の大きさを認識することとなった。日常いつも目にする威風堂々の象徴が,一日にして無残な姿をさらすこととなり,県民にとって心の支えを失ったことは容易に予想できた。
 この地震で,会員の中にも負傷されたり,診療室やご自宅が壊れるなどの被害が出た。診療に影響が出た会員もおられた。一年を経過しても,いまだにみなし仮設住宅で暮されている先生もいらっしゃる。しかしながら,どの先生におかれても復興に向けて地道な努力をされており,心強い限りであるし,頭が下がる思いである。
 東日本大震災や今回の熊本大震災では,同窓会として支援金を呼びかけ,全国の会員の皆様から多くのご協力をいただいた。その結果,復旧のわずかな足しにしかならないかもしれないが,同窓のお見舞いの気持ちを表すことができた。改めて感謝申し上げる。
 現在,同窓会では共済制度の見直しが進められている。本会の共済制度は,現行では弔慰共済金,罹災共済金,80歳および100歳の長寿お祝い金よりなり,このために卒業後間もない新進会員から80歳に達する会員に至るまで,均一の共済負担金をお願いしている。ただシミュレーションの結果,負担金収入減少のため,現行の規定のまま運営するとやがて立ち行かなくなる恐れがある。また,個々の災害に対し情報の正確な把握が困難なことがあり,公平な罹災共済金のお支払いが難しくなっている。さらに若手の会員の支部加入を促進する意味でも,会費や負担金などをできるだけ軽減する必要がある。
 このような現状を勘案し,改正する共済制度からは罹災共済金が除外される方向にある。詳細については,間もなく執行部より改正案が示されて,各地域支部連合会や支部を通してご協力をいただき,評議員会の判断を仰ぐこととなる。
 では,大規模災害に対してはどのように対応するか。近年,大きな災害が増えつつあるように思われるが,その規模が大きくなるほど,現行の共済制度では対応ができない。地震や台風などの被害については共済制度から外し,「支援金」として対応する方針である。災害が生じた場合,支部長からの申し出により,理事会で支援金募集を決定し,会員の皆様にご協力をお願いする。理事会が速やかに対応すること,さらに同窓各位の暖かいご支援も不可欠となる。
 同窓としての心の絆をいつまでも繋ぎ止めておくために,宜しくご理解を賜りたい。

巻頭言/同窓会の重要課題とその対応にあたって

副会長 冨山雅史
総務厚生部常任理事
中島信也

(東京歯科大学同窓会会報 平成29年2月号/第407号より)

 平成28年1月より総務厚生部の主任を仰せつかりました,昭和59年卒の中島信也と申します。第1期大山執行部以来,6年のブランクを経て再度総務を担当させていただいております。第3期矢﨑執行部も,任期の半分が経過しましたが昨年度には熊本地震への対応,新設された都道府県代表者会の開催など,新たな事業執行を含め多くの事業にあたってまいりました。会員の皆様には,会務へのご理解と多大なるご支援をいただき事業執行にあたらせていただいておりますことに,この場をお借りして御礼申し上げます。
 さて,昨年の都道府県代表者会では新たな試みとして各都道府県間の連携,本部との双方向の情報交換を行うことも目的として開催され,多くの意見交換や協議がなされました。特に支部未加入者に対する対応につきましては,各都道府県においても共通の課題として挙げられており,各都道府県や地域において様々な工夫が行われていることが報告されました。その対応は,若手の会員の支部加入をいかにスムーズに進めていくかということに終始し,いずれの支部,地域連合会においても大学との連携が必須であることと結論付けられました。現在大学卒業時に同窓会入会手続きとして,連絡先と帰省先を提出いただき会員台帳に記入しておりますが,その後臨床研修を終了した時点で,もしくは大学の医局を離れた時点で移動先の該当支部に加入されないケースが多くあることから,支部未加入の状態になっていることが多く挙げられております。この所属先が変更になるときに本部が十分な把握ができるようなシステムの構築を図ることが喫緊の課題であると考えますが,卒業後は多くの会員が大学に所属する現状にあることから,大学でも移動に際してその把握を十分にしていただき,会員情報に関する本部との連携は勿論のこと,各支部との連携もとれるようにしていくことが重要であります。なるべく早い時期に支部・本部・大学間の情報交換がスムーズに行われるようなシステムの構築を図っていこうと考えております。
 さらに今年度の最重要課題には,昨年の評議員会で協議いただいた共済制度の抜本的な改定に関わる検討があげられております。この問題については,評議員会で纏められました共済制度の根本的な改定を軸に昨年12月14日付で総務厚生委員会にその検討を諮問したところでありますが,会員にとって重要な問題ですので,会員の意見を反映した検討を行うために,3月末ごろまでに各支部のご意見としていただく事にしております。会員の皆様におかれましては,各支部長に多くのご意見をお出しいただきますようお願いいたします。執行部と致しましては,それらのご意見も考慮し本年度の評議員会に上程すべく慎重に協議を進めていく所存です。
 この一年には,このように多くの重要課題についての対応が求められておりますので,会員の皆様の益々のご理解とご支援をお願いいたします。

巻頭言/同窓会におけるITの活用

副会長 冨山雅史
副会長
冨山雅史

(東京歯科大学同窓会会報 平成28年12月号/第406号より)

 本年1月に広報・情報関係担当の副会長を拝命いたしました。今後同窓会の発展のために一層努力する所存ですので,何卒よろしくお願いいたします。政府は,本年5月に改定した「世界最先端IT国家創造宣言」において,情報通信技術(IT)は力強い経済成長を実現するための鍵であると共に,我が国の社会を抜本的に変革し,安全・安心・快適な国民生活を実現するための重要なツールである。と述べています。
 具体的な施策としては,行政システムのクラウド化,マイナンバー制度の導入,産業ロボット開発,IOTを活用した物流の効率化,医療関連では,医療等ID制度や医療保険のオンライン資格確認の導入,健診・レセプトデータ等の活用による医療の質の向上及び医療費の適正化などがあります。
 同窓会においても,同窓会組織の強化・会員サービスの向上を目的としてITの活用を進めており,ホームページの充実,理事会等におけるぺーパーレス会議の推進,SNS及びメーリングリストを活用した連絡網の整備などを行っています。
 特にホームページにおいては,一方的な情報発信のみでなく,会員間および支部間の情報交換の場としての活用を目的として,様々な対応をしています。熊本地震時における情報交換の場としての活用,そして地震被災同窓会会員へのお見舞い支援金募集,クラス会・OB会だより。また,本年より新たにオンデマンドを活用したアカデミア(学術講演会)の動画配信も始めています。
 年4回発行の同窓会会報では対応しきれない最新の情報を会員間で共有できることが,ホームページの最大のメリットと考えています。また,水道橋校舎で開催されるアカデミアは,興味のある演題であっても,遠距離のため出席できない会員も多くいると考えられます。オンデマンドによる動画配信は,講演会場まで来なくても自宅で受講できる大きなメリットがあり,今後さらにコンテンツを増やしていく予定になっています。
 また,コミュニケーションツールとしてのIT技術の進歩は著しく,スマートフォン,SNS(ソーシャルネットワークサービス)等が若い世代を中心として幅広く使われています。SNSとしては,Facebook,Instagram,LINEなどが有名ですが,Facebookでは「東京歯科大学同窓会広報部(@TDCalumni)」としてページを持っており,様々な情報を発信しています。是非,ご活用いただきたいと思います。
 ITは同窓会を継承,発展させていくための重要なツールの一つと考えています。多くの会員の皆様がご利用いただくことを望んでおります。

巻頭言/事業推進部事業の継続と発展を目指して

副会長 早速晴邦
副会長
早速晴邦

(東京歯科大学同窓会会報 平成28年10月号/第405号より)

 本年1月より,事業推進部担当副会長を仰せつかりました。これまで宮地先生が長きにわたりお務めいただいた部署であり,そのあとを引き継いでの重責であり,身の引き締まる思いであります。平成28年度・29年度の同窓会運営の重点項目の一つに「同窓会アカデミア構想による人材育成」があります。
 これまでの伝統あるTDC 研修セミナーを引き継ぎ,そのノウハウを十分発展した形での生涯研修プログラムということになります。
 これまでに携わってこられた先人の方々に敬意を表したいと思います。
 このため,事業推進部の事業の一つとしては,血脇イズムの精神に基づき,また,アカデミア構想に則り,社会的視野の広がりと明日からの診療をより高度なものとする,知識と技術の習得を目指すセミナーが開催されています。
 その根底にあるのは,若手同窓の参加と連携を目的にしているということは言うまでもありません。
 通常行われているセミナーと比較して,内容が格段と充実しており,且つ費用が安価であります。
 是非多くの同窓の皆様の参加をお願いいたします。
 また,新しい試みとして,オンデマンド発信があり,現在のところどうしてもセミナーの会場が,東京ということになってしまいますので,会場が遠くて参加できない同窓のために,オンデマンドにより,学術等の情報を発信できるよう検討しておりますが,問題点もまだあり,充分な機能を発揮できていないのも事実であります。
 これらの事業を推進するにあたっては,担当常任理事並びに学術委員会委員の先生方の献身的なご努力で成り立っていることを忘れてはなりません。
 事業推進部のもう一つの柱として,社会保障制度研究委員会があります。
 研究するテーマが大きく,苦戦をしているところではありますが,我々が直結する医療保険制度も含めて,社会保障の将来を考える部門でありますので,大学に籍をおかれている先生にも貴重なご意見・ご助言をいただきながら,じっくりと進めてまいりたいと考えております。
 事業推進部としては,これまでの執行部で行われてきた事業を継続し,さらなる発展・向上を目指してまいりたいと考えております。会員の皆様の貴重なご意見・ご要望をお待ちしております。
 11月20日(日)には,評議員会並びに本年より新しい試みとしての都道府県代表者会の同日開催が予定されています。
 都道府県代表者会は昨年の評議員会にてお認めいただき,新たな事業として行うわけであり,未知数のところではありますが,評議員会ではお伝えできない各都道府県の支部長に対し,開催することとしております。
 各支部においてのご意見・ご要望を執行部として,真摯に受け止めこれからの会務に反映してまいりたいと考えておりますので,忌憚のないご意見をいただけるよう支部長の先生には,お願いいたします。
 最後に,本年8月・9月にはブラジルのリオデジャネイロにおいて,オリンピック・パラリンピックが開催され,当初心配していた施設の問題およびテロの心配もありましたが,無事終了しホッとしております。日本のアスリートの皆様の大活躍により,国民は若人から夢と感動と勇気をもらいました。次は,2020年の東京オリンピック・パラリンピックとなるわけで,国民一人一人が一丸となって参加し,準備していかなくてはと考えます。
 我々歯科界および同窓会においても何かお手伝いができないものか,待っているのではなく,積極的に参加してゆくことが,必要ではないかと考えている今日この頃です。