今期執行部が立ち上がった際,目標の1番目に掲げたのが若手会員・女性会員がより参画しやすい組織の構築です。特に最近は女子学生の急増が目立ってきており,このような社会情勢の中で同窓会は,常任理事に3名の女性会員を配置し,多角的視点から女性会員が同窓会事業に参画しやすい環境づくりに努めてきました。その担い手の中心である女性会員活動推進委員会では,昨年度は地域の代表者にお集まりいただきそれぞれの地域における女性会員の活動についての意見交換をし,現状把握に努めました。その結果を受けて本年は歯科界で活躍する女性会員に講演していただき,その活躍の一端を知ることで女性会員や若手の会員が歯科医師として成長するためのヒントを提供する機会が持てればという考えに至り,歯科界のみならずメディアでもご活躍の本学を昭和55年に卒業された宝田恭子先生に講演をお願いしました。
10月6日(日),「これからの歯科医に期待されること〜健康自立と安静時空隙と美〜」と題して,東京歯科同窓ならではの切り口で,上條教授の解剖学教科書を基に実際の動きを交えた宝田先生ならではの臨場感のある講演会が開催されました。今流行りのヒアルロン酸などによる顔面下垂に対する処置と違って,明らかに若い時の顔貌に近づくエクササイズを紹介され,参加者もその場で変化を感じる実習を交えた講演会となりました。意識をもって生きている人は,姿勢がきれい,姿勢が悪い人は,呼吸がうまくできなかったり転びやすくなることで,結果として寝たきりになるといった基本的な理論を基に,その負の連鎖を予防するためには胸鎖乳突筋のコントロールが大切である。胸鎖乳突筋が後方に傾くことで安静位空隙が取れ,正しい呼吸をするための正しい姿勢が取れることが重要と説明されました。締めとして,今後女性歯科医に求められるものは多岐にわたってきます。患者さんの健康自立に結び付く指導ができれば素晴らしいのではないかと感じていると述べられました。
当日は,北海道など遠方からの参加者もあり,男性の会員も含めて多くの年代の会員にお集まりいただきました。また参加された先生方は,それぞれの地域で女性会員として活躍されている先生方が多く,澁谷会長からは今後の同窓会活動を牽引していただく存在として,女性会員活動の更なる活性化を図る担い手となっていただきたいとの要望が述べられました。その後,場所を神保町の新世界菜館に移し懇親会が開催され,講師を中心に参加者全員からコメントを頂くなど,楽しいランチの時間を過ごすことで親睦を更に深くできたものと思われます。
(総務・厚生部女性会員活動推進委員会委員 昭和59年卒 中島 信也 記)