平成30年2月24日(土)鹿児島県支部総会・学術講演が県歯科医師会館で開催されました。総会は上野 修先生(S58年卒)に議長をお願いして,例年通り問題なく進行しました。昨年まで8年間,鹿児島県歯科医師会会長として大改革を断行された森原久樹先生(S43年卒)が勇退されました。会長時代,激務,ストレスで心臓が2回止まりその度に電気ショックで生還されるという苦難を物ともせず,公益社団法人化,新会館建設など果敢に尽力されました。私共も会議や懇親会などで先生を見るたびに,はらはらする思いで見守っていました。幸い西 孝一先生(S50年卒)が副会長として,また長田 博先生(S57年卒)が常務理事として森原先生をガッチリと支えておられました。鹿大出身の新会長のもと,西先生は引き続き副会長として,長田先生は専務理事に昇格されて屋台骨を強力に支えておられます。
総会後,母校生理学教授田﨑雅和先生に「口腔感覚障害はなぜ起こる?」と題して学術講演を頂きました。本学大学院ご出身(H5年修)の鹿児島大学解剖法歯学教授田松裕一先生をお迎えして,また総務下津昭洋先生(H4年卒)の広報が功を奏して多くの参者で開催されました。要旨は,患者から味覚の変調の訴えを聞いた時,できるだけ早く味覚検査をして投薬する必要がある。早いほど治癒率が高い。口腔ケアには味覚障害の察知も含まれることを,今更ですがやっと理解しました。
鹿児島のシンボルといえば桜島です。幅4キロの「お堀」を挟んで桜島「城」と城下町の主従関係です。お殿様が噴火する度に町人衆は噴煙が自分の方に来ないように願いながら空を仰ぎます。運悪く降灰したら洗車また洗車,庭掃除です。観光としては抜群のスペクタクルですが,生活者には苦行と忍耐の街です。その桜島ですが,百年前の大正大噴火の再来が危惧されています。先日,県歯主催で京都大学防災研究所井口正人教授の講演がありました。当時の9割のマグマが既に蓄積されている。30年以内に同規模クラスの大噴火がほぼ確実に発生する。風向きによっては鹿児島市は降灰60センチの堆積。震度6の地震。鹿児島湾奥では12mの大津波が右往左往する恐れもある。流出した溶岩が冷えて近寄れるまで10年を要するなど。70万市民の一斉避難も想定されます。田舎にある空き家の実家を処分したものか迷っています。大河ドラマ「西郷どん」の出演者達の鹿児島弁が上手すぎて意味不明,翻訳字幕を入れろと苦笑のクレームが多いとの事です。確かに我々が聞いてもやや上品すぎるが,お手本にしたいレベルです。薩摩の雰囲気がよく醸し出されている所でご勘弁をお願いします。懇親会は天文館の熊襲亭で,郷土料理といつもと同じ焼酎飲み放題でした。
昭和50年卒・吉嶺 光 記)