東京地域支部連合会下で江東区には深川と城東の二つの支部があります。毎年秋には合同で学術研修会を企画しており,2019年度は城東の主催で錦糸町にある東武ホテルレバント東京にて11月12日に開催致しました。
若い方は近視や乱視など,そして加齢に伴い老眼や白内障などが加わり眼の不具合を訴える方は数多く,我々も歯科治療を行うに際し,かなり不自由を感じている方が多いのではないかと推測しております。そこで今回,特に白内障や屈曲矯正手術において世界的にも名高い,水道橋病院眼科教授ビッセン宮島弘子先生をお招きし,「白内障手術の最前線」という演題で講演を頂く運びとなりました。先生におかれましては臨床医として最先端にいらっしゃるのは言うに及ばず,眼科医の育成,各種学会において主要なポストに就任し貢献されており,超多忙の中でありましたが,時間を割いて依頼を引き受けて下さいました。
講演は,白内障の症状ならびに麻酔や手術方法の変遷,そして種々な多焦点眼内レンズの開発とその進化に話が進み,手術時の動画も見せて頂きました。更に近年,眼科臨床領域の月刊誌に投稿された「老視矯正眼内レンズ」の別刷りも配付下さいました。また講演の中で「歯科で頻用されている超音波スケーラーが,水晶体を掻き出す為に角膜の切開を最小限にできる器具の発想だった。」ということでこれにも驚かされました。困っている,悩んでいるより,一刻も早く絶対的安心感と信頼感のある水道橋病院眼科を受診,相談そして手術して頂きたいと感じる内容でありました。
懇親会では,初めに深川支部最年長の熱田俊之助先生に挨拶をお願いし,その中でビッセン先生が主治医であるとの話を頂きました。参加者の中にも先生が主治医の方が多く,乾杯発声の後は先生に食事をする暇を与えないぐらいに,挨拶や手術時のお礼,更に眼に悩みを持つ方が代わる代わる相談に列をなすという光景が見受けられました。
このようにビッセン先生におかれましては講演後も歓談して頂く暇すら与えないぐらいに慌ただしい会となってしまいましたが,大変有意義で貴重な講演をして頂いたことをこの場をお借りして感謝すると同時に御礼申し上げます。
(昭和58年卒・原 泰司 記)