愛知県支部/平成29年度 総会

 平成29年12月3日(日)名鉄グランドホテルにて平成29年度東京歯科大学愛知県同窓会総会,記念講演会,懇親会が盛大に開催された。
 総会ではご来賓として東京歯科大学水道橋病院副病院長の末石研二先生,同窓会本部より常任理事の髙橋潤一先生にご臨席戴いた。始めに成瀬会長の挨拶では,今期で勇退されるとの表明があり,愛知県同窓会記念誌作製においては多くの先生方から写真,資料を戴き,役員の先生によって何度も校正を行い,完成することができたと感謝の言葉があった。今まで愛知県同窓会としての記念誌はなかったので,今回発刊することができたことは大変意義深い事であると話され,記念誌の内容を披露された。その中で戦後,愛知県同窓会は東三河,西三河,尾張の3地域に分かれていたが,昭和62年に統合され今年で30年になる等の説明があり,初代会長から成瀬会長が8代目になると話された。この記念誌の発刊によって今までの歴史が残され,継承される事はこれからの愛知県同窓会の道標になると話された。
 末石研二副病院長からは「大学の近況」と題して新館校舎,本館校舎の説明,各学年の学生の状況,現在の国家試験の状況,短期大学歯科衛生学科の開校,千葉病院が今後病床のある施設の病院に変わることについて説明があった。また,CAD/CAMが学生教育の中に加わった等の報告があった。髙橋潤一同窓会常任理事からは,会務報告として熊本地震への同窓会からの支援や平成卒以降の同窓会加入者の減少傾向にあることや,共済制度の見直しについて詳細な説明があった。
 総会は元会長の牧野健司議長の下,各部報告等が円滑に取り纏められ,次期会長の件,未入会同窓生への対応について協議された。次期会長については満場一致で現専務理事の橋本雅範先生(昭和53年卒)が推挙され,次期会長としての力強い決意を表明された。また,最後に牧野議長より私も今回で議長職を退くとの挨拶があり,温かい拍手が送られた。その後,愛知県条例表彰を受けられた澤 國生先生(中区・昭和34年卒)と,日本歯科医師会会長表彰を受けられた成瀬 健先生(名東区・昭和50年卒)へお祝いが授与された。
 記念講演会は,「途上国医療支援から日本の歯科医療を考える~医療の原点へ…カンボジア,ミャンマー,ブータンへ~」という演題で岩田雅裕先生(岡山大学歯学部卒)がご講演された。先生は以前テレビ番組の「情熱大陸」にも出演されたことがあり,顎顔面口腔外科医として大阪府内の総合病院で口腔外科部長を務めた後,2013年にフリーランスに転身されカンボジアを中心に,中国,スリランカ,フィリピン,ラオス,ミャンマー,ブータンなど,無償医療支援活動を行っている歯科医師である。現在は日本国内の八つの病院で手術,診察を行っているが,収入は勤務医時代の5分の1に減り,貯金や退職金も全て食いつぶし自己犠牲の中,活動を続けているとのことである。今回,海外の発展途上国の医療事情を説明して頂き,日本がどれだけ恵まれているか痛感させられた。本来医療とは収入を得るためだけでなく,困っている人々を助けるのが目的であることを今一度考えさせられ,母校東京歯科大学の校歌の一節「医はこれ済生,ひとへに仁なり」を思い出した。
 最後に懇親会が同会場にて行われ,ご来賓として公務で大変お忙しい中ご出席戴いた愛知県歯会長の内堀典保先生にお祝いのご挨拶を戴いた。
 94歳になられたが未だ矍鑠とされている橋本京一先生が乾杯の発声をされ,懇親会は大いに盛り上がった。懇親を深めた酒宴の〆は小関健司理事の指揮の下,平成卒の会員が壇上に上がり,全員で校歌を斉唱し無事お開きとなった。

(平成2年卒・白岩 克規 記)