文学座公演「野口英世物語」についてのお知らせ(2015年11月6〜15日公演・9月26日発売開始)

東京歯科大学同窓会 会長 矢﨑秀昭

『再びこの地を踏まず ―異説・野口英世物語―』作/マキノノゾミ 演出/西川信廣(2015年11月6〜15日)

 日頃から同窓会の活動に多大なるご支援を賜わり厚く御礼申し上げます。すでにご存じのように本年は血脇守之助先生が明治28年に同窓会の前身となる「院友会」を創設して120周年を迎えることとなります。これを記念して本年11月29日には記念式典、講演会、祝賀会が開催されます。是非多くの会員の皆様のご参加を心よりお願い申し上げます。
 同窓会創立120周年の記念会と、ほぼ同時期に、野口英世の人間像を描いた、文学座の公演が開催されます。第一幕では高山歯科医学院や、三崎町の血脇守之助邸の場面など、血脇守之助の偉大な人物像と共に、世界に羽ばたけた野口英世との人間的結びつきについても演じられると思います。
 文学座から東京歯科大学同窓及び大学関係者、学生の方に是非ご来駕戴きたく、下記の様な連絡がありました。
 同窓会創立120周年を盛り上げるためにも、この文学座の公演の盛会を同窓として支援して戴きたくお願い申しあげます。

『再びこの地を踏まず ―異説・野口英世物語―』

  作/マキノノゾミ 演出/西川信廣
主演: 今井朋彦、瀬戸口 郁、若松泰弘、鈴木弘秋、佐川和正、西岡野人、後田真欧、
富沢亜古、藤﨑あかね、松岡依都美、永川友里、千田美智子
☆公演期間: 平成27年11月6日(金)~15日(日)
☆場所: 新宿・紀伊国屋サザンシアター
☆発売開始: 9月26日(土)
(公演日程及び申し込み方法は、別紙をご参照ください)
チケット申し込みは「文学座チケット専門:0120-481034」に
東京歯科大学関係と言って下さい。(10時~17時30分・日祝のぞく)
☆料金
(全席指定・税込)
・一般:6,000円 → 5,400円(東京歯科大学割引)
6日(金)・9日(月)は4,000円
・ユースチケット(25歳以下):3,800円 → 3,500円
・中・高校生:2,500円

あらすじ

 舞台は明治31年、野口が北里研究所の助手見習い時代から始まる。研究所では雑用しか仕事のない毎日に嫌気がさし始めている野口。一日も早く世界へ出たいという野心を抱いているが、それだけの地位、功績、名声、そして肝心の渡航資金と何一つ持ち合わせていなかった。郷里の親友から借金してもすぐに使い果たしてしまうほど金遣いの荒い浪費家であり、さらに上乗せして無心するほどの途方もない借金魔であった野口。医師を志す女学生・斉藤ます子と婚約。その婚約持参金をアメリカ留学の渡航費に当てようとしたが、宴会や芸者遊びで大金を一夜にして使い果たしてしまう。しかし努力家という本来の一面による彼の熱心な勉強ぶりと、誠実さを理解してくれている、恩師血脇守之助はホトホト呆れるも、野口という人間そのものに魅了されている彼は、渡航実現に向けて尽力するのであった。
 時は流れて明治44年。ニューヨークに新設されたロックフェラー医学研究所に足場を固めていた野口は、ついに病原性梅毒スピロヘータの純粋培養に成功する。そしてひょんなことから知り合ったメリーと結婚。その後も次々と病原体を発見し、地位、功績、名声を確実に手中に収めていく野口。やがてアフリカ黄熱病の病原体研究のために命を懸けてアフリカへ渡ることに…

解説

 福島県で生まれた野口英世は、左手に負った火傷にもめげず、生活の苦しい家の手伝いをしながら必死に勉強する熱心な少年であった。その後医学を志し上京…。やがて世界の医学界に於いて次々と自身の研究成果を発表、ノーベル賞候補となるほどの注目を集める存在になる。そして現在、日本国紙幣にその肖像が描かれている。と、ここらへんは誰もが伝記やなにかで知っていることであるが…。
 医学研究者として日本人なら誰でもが知る偉人、野口英世。その輝かしい功績は現代まで語り継がれ世界に名を残している彼だが、途方もない浪費家で借金魔で結婚持参金を使い果たした挙句に婚約破棄するといった一面はあまり知られていない。そんな人間臭い部分に光を当て、マキノノゾミが人間野口の怒涛の後半生を描く!

―演出意図―
 この作品は、野口英世の偉人伝ではない。女遊びが好きで、金銭感覚疎く、友人が工面してくれた大金を豪遊して使ってしまったり、渡米の資金を得るために婚約して持参金を得ながら、渡米すると、相手方から破談するように画策したりと常識を逸脱したエピソードに事欠かない野口。医療に身を投じた偉人と詐欺師まがいの行為を平気でやってしまう人間・野口英世を突き動かしていたものは何だったのか。「志を得ざれば再び此の地を踏まず」と猪苗代の実家の柱に掘り込んだ言葉や「偉ぐなるのが敵討だ」と公言する野口の心の奥底に何があったのか。日本が誇る偉人・野口英世に、これまでにない角度から光をあて、新しい形の評伝劇を目指したいと考えている。(西川信廣)