2013年7月28日に,東京歯科大学管弦楽団の第36回定期演奏会が千葉校舎講堂にて開催されました。本年の曲目は,前半にA.ドヴォルザーク作曲のチェロ協奏曲ロ短調op. 104,G.ビゼー作曲劇付随音楽「アルルの女」第1組曲が演奏されました。休憩を挟んで,後半にはR.ワーグナー楽劇「ニュールンベルグのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲が演奏されました。指揮者には,昨年同様,直井大輔先生,チェロ独奏には木下通子先生になさっていただきました。例年11月に定期演奏会を開催しておりましたが,今回は学生の教育の場が9月より水道橋に移転するため,定期演奏会を7月に開催する運びとなりました。
チェロ協奏曲は,ドヴォルザークの3つの協奏曲作品(ヴァイオリン,ピアノ,チェロ)の中で最も親しまれている作品です。「望郷の念」が詰め込まれた哀愁のある名旋律に満たされた曲です。「アルルの女」は,ビゼーの作品の中で歌劇「カルメン」と並んで有名な曲で,ドーデの同名の戯曲の付随音楽として作曲されたものです。
「ニュールンベルグのマイスタージンガー」は,悲劇的作品が多いワーグナーの作品の中で残り少ない喜劇的作品です。特に第1幕への前奏曲は,ワーグナーの楽曲の中でよく親しまれ,祝祭的なイメージから式典などでよく演奏される曲です。
今回は,例年より演奏会の時期を7月に早めたため,現役部員は例年以上にこれらの曲目を練習したことと思います。また,単科大学では管弦楽として各楽器が揃わないため,例年と同様に医科系学生や近隣大学の方々が,エキストラとして多く参加して下さいました。今年も大勢のOBの先生方が演奏会に参加されました。このような形でありますが,千葉の講堂で歯科単科大学の管弦楽部として演奏会を毎年継続できたことは非常に価値があったことだと思います。水道橋移転に伴い,今後の定期演奏会開催の場所の確保,練習場所の確保,エキストラの確保等,課題が出てきましたが,今後の演奏会が継続できるよう,可能な範囲でOBの先生方が協力していかなければと思いました。今回の演奏会は,炎天下の猛暑の中の開催でしたが,講堂の全客席が埋まるほどで,立ち見の方が出るくらい,今までで最も盛大な演奏会となりました。これは,管弦楽部の定期演奏会が大学周辺の地域に定着し周知されるようになった顕れだと思います。アンケートにも,大学移転に伴い千葉校舎講堂での演奏会を名残惜しむ内容が多数書かれておりました。
演奏会終了後は厚生棟にて懇親会が催され,現役部員,OB の先生方,エキストラの方々等,多数の方々が出席されました。多胡彬OB 会名誉会長よりご挨拶及び乾杯の挨拶をいただき開会しました。懇親会は和やかな歓談で進行し,現役部員の幹事と次期の幹事紹介がされ,お開きとなりました。
(平成7年卒 田中 大平 記)