巻頭言/理解と協調

大山萬夫会長
会長
大山 萬夫

(東京歯科大学同窓会会報 平成20年6月号/第364号より)

 新執行部発足以来早や5ヵ月が経過しました。その間、同窓の皆様より温かいご助言、ご指示、励ましの詞を賜りつく御礼申し上げます。お陰様を持ちまして理事・委員一同頑張っております。

 さてこの度、大学当局より理事長井上 裕先生・学長金子 譲先生より東京歯科大学創立120周年記念事業の主体ともなる大学移転について本号にお書き頂きました。ご一読頂き本事業に対するご理解を一層深めて頂きたく存じます。

 井上理事長の本計画の基本理念は「大学機能の更なる充実・将来に向けた人材育成」に集約されると言われております。更にその中で、都心大学の優位性について言及されておられます。現に他の一般大学においては5〜6年前より都心回帰について活動されておられる様です。受験生の目が都心に向いて来ているとの事であります。歯科大学受験生においても同様の現象が有り、大学としては優秀な受験生の確保が困難となって来ている事は将来展望としては大きなマイナス問題であります。平成20年3月の国試合格においても、我が校は良好な実績を得ましたが、この面も含めてよい教育体制を今後共維持することが、名実ともに栄光と言えると存じます。他方現施設関係において維持・保守関係費の膨大なる支出が問題になって来ており、今後を見据え、都心キャンパスの優位性・効果などを検討した結果、都心回帰の方針を決定したとのことであります。理事長の幅広い人脈・多くの情報からのご決断でありましょう。法人理事会・評議員会の賛同を得られたご同慶の至りでございます。

 金子会長よりは、「東京歯科大学の新たな旅立ち」としてマスタープラン6項目について詳細に解説されておられます。

 特に千葉キャンパスの一斉移転、約28,500坪の売却、また三崎町二丁目所有地に大学施設ビル、その中に新血脇記念ホール(多目的ホール・コンサート会場を含む)の移築、更にさる学校法人との共同開発による校舎確保等の計画について示され、これ等の要因は「東京歯科大学の将来目標を実現するためである」とご解説されました。

 理事長・学長それぞれのお立場から見識有るご決断であります。特に時代のながれの激しさ厳しさを実感致すと共に、このプロジェクトの成功を同窓会は総力を挙げてご支援しなければならないと、肝に銘じるものであります。同窓会と致しましては、この様なときこそ微力ながらも物心両面からご支援させて頂きお役に立ちたいと願っております。過去には、特筆すべきものとして、昭和30年大学院設立資金をはじめ昭和45〜52年には大学施設整備資金、平成2年には大学創立100周年記念行事助成金また平成12年には大学HRC及び日本歯科医学会総会援助金等がございます。

 今度の事業は120年の輝かしい歯学の雄としての誇り、また社会に対する重い責任を背負っております。我々同窓会会員は理解と協調をもって本事業の推進達成にご支援しなければなりません。

 皆々様の一層のご協力をお願い申し上げます。尚120周年記念祝典・水道橋移転関係の情報につきましては、本同窓会報を通して逐次お知らせ致します。