いづみ会(昭和23年卒・53期)/総会開催

 第67回総会は2年続いた熱海市から隣り町の奥湯河原に場を移して昨秋平成28年11月24日(木)に催されました。湯河原温泉は箱根外輪山に囲まれた山峡にあり万葉時代から歌に詠まれた古湯です。
 「あしかりの土肥の河内に出ずる湯の世にも絶よらに子らが言はなくに」
 万葉集十四巻の東歌の中に相聞歌として出ており,恋の情熱を滾々と河原から湧き出ずる温泉に例えた恋愛歌です。寄る年浪には勝てぬとは申せわれわれも湯河原の出で湯に浸って些かでもあやかりたいと思いました。
 さて,当日は東京一円が54年ぶりの11月の初雪に見舞われましたが三三五五全員が無事山翠楼に集合しました。宿は京風数寄屋造りの4棟に典雅な和みの部屋が並ぶご当地屈指の老舗料亭旅館です。先ずは自家源泉掛け流しの湯で全身のしこりを解しました。
 定刻午後5時総会開会。会務報告のあと,今後の会運営の件について協議いたしましたところ常連の出席者も年毎に欠けていくなど諸般の状況から,連綿と続いてきた恒例の年次総会は残念ながら今回をもって終結と決りました。
 引続き懇親会は午後6時,岡山の岸田君の音頭で乾杯開宴。引き上げ湯葉の先付に始まる旬の懐石料理の秋の味覚を愉しみながら入学以来72年の懐古談に花を咲かせ打ち上げの宴席を盛り上げました。ところで時恰も大方の会員が卒寿と重なる年でもあり岡山から来会の林君に祝杯を高々と上げていただき祝賀の宴に切り替え歓談は続きました。なお今席には矢内良徳君から心温まるご祝儀を頂戴いたしましたので申し添えさせていただきます。
 翌朝は惜別の感一入の思いで現地解散いたしました。
 出席者は,岸田 昭君,林 和男君ご夫妻とご同伴,福岡 明君とご令息博史氏(昭和58年卒),中久喜夫妻でした。
 いづみ会の皆さん! 卒寿は通過点です。目の先には白寿・百寿が待っております。更なるご長寿を心からお祈り申し上げ擱筆いたします。ではお元気で。

(中久喜 喬 記)