滋賀県支部/平成28年度 総会および学術講演会開催

 東京歯科大学同窓会滋賀県支部総会および学術講演会が,さる平成28年3月6日,「ホテルボストンプラザ草津」にて開催された。当日は肌寒い風が吹く,あいにくの天気であったが総勢23名の参加があった。尾松素樹専務理事が司会を担当,松田康男副支部長の開会の辞に続いて校歌が斉唱され,物故会員に対し黙祷を捧げた。特に今年は,毎年我が支部で歌い継がれている東京歯科大学逍遥歌,「夕日は沈み」作詞者でおられた島野達也先生(昭28卒)が逝去されたこともあり,例年以上に悲しみが込み上げた。その後,藤居正博支部長が挨拶と本校120周年記念事業の報告をなされた。続いて議事に入り,平成27年度の事業報告および会計報告,平成28年度の事業計画の協議を行い,可決承認された。また,続く議事において新たな支部長の選出および新役員案が上程され,賛成多数で可決された。次期支部長に決まった松田康男先生からの挨拶の後,中村 忠副支部長による閉会の辞で総会は締めくくられた。休憩を挟んだ後,学術講演として本学よりお招きした東京歯科大学歯科理工学講座,河田英司教授により「東京歯科大学近況報告」および「確実な接着のために」と題したご講演を賜った。まず近況報告では東京水道橋に復帰した大学のさらなる発展のための施策の数々が報告された。また徹底した学生教育のノウハウの一端を見せていただくことで,わが校がトップクラスの国家試験合格率を続けている理由が理解できた。我々が学生だった頃は随分とのんびりしていたのだな,と妙な感慨を抱いた。学術講演では我々が日々の臨床で,多くの時間を費やす処置のひとつ,CR充填の「ボンディング」のメカニズムについて凝縮してご教示いただいた。また,最近保険収載された「CAD/CAM冠」の接着についても言及された。日頃診療で日常化している「接着」をもう一度見直す,良いきっかけとなったと思う。熱い講演だったため時間が押してしまっていたが活発な質疑応答が交わされ,講演会は終了となり引き続き懇親会に移った。出席者最年長である石田喜之先生の乾杯の発声で宴が始まり,和やかな時とともに同窓の親睦を深めた。宴の中で,前述の島野(旧姓横山)達也先生を忍びつつ逍遙歌「夕日は沈み」を北村真也先生の音頭,もとい,指揮の下,全員で合唱した。その後,岡野克也先生の閉会の辞をもって全ての日程を終了した。東京歯科大学のよき伝統である,年齢を超えた結束力の強さはまだまだ健在であると実感した一日であった。